kn0617aaのブログ

文系科目ダメダメな中高生・浪人生のための英作文修行

2022-01-01から1年間の記事一覧

オリジナル勉強風呂Gu 第638回 2022.12/15

古文研究法67-3 和泉式部日記:秋のうちに朽(く)ち果てぬべし ことはりの時雨(しぐれ)に誰が袖を借(か)らまし まだ秋のうちに私の袖は涙でボロボロになってしまうに違いない。すると、冬になって当然やってくるはずの時雨が降ってきたら、誰かの袖を借りて時…

オリジナル勉強風呂Gu 第637回 2022.12/14

古文研究法67-2 古今集:かはづ鳴く井手の山吹散りにけり 花の盛りに会はましものを カジカの鳴く井手の山吹は散ってしまったなあ、花盛りに会えるものなら会いたかったのになあ。 N君:花の盛りを見たかった、と歌っているのでしょう。「花の盛りの時期にあ…

オリジナル勉強風呂Gu 第636回 2022.12/13

古文研究法67-1 謡曲「鉢の木」:行方(ゆくえ)定めぬ道なれば、来(こ)し方(かた)もいづくならまし。 どこへというあてのない旅だから、やって来た方角も、どうなんだろうか、よく分からない。 N君:「鉢の木」は、これも400回台のK先輩歴史放談に出てきた5代…

オリジナル勉強風呂Gu 第635回 2022.12/12

古文研究法66-2 大鏡:げにそれは翁らがさがな目にも、ただ人とは見えさせ給はざんめり。なほ権者(ごんざ)にこそおはすめれとなむあふぎ見奉る。 本当にこの道長様の御様子の素晴らしさは、爺さん共のやぶにらみの眼から見ても、普通人とはお見えにならない…

オリジナル勉強風呂Gu 第634回 2022.12/11

古文研究法66-1 大鏡:天地(あめつち)に受けられ給へるはこの殿こそおはしませ。何事も行なはせ給ふ折に、いみじき大風吹き長雨降れども、まづ二三日かねて空晴れ土乾くめり。かかればあるいは聖徳太子の生まれ給へると申し、あるいは弘法大師の仏法興隆のた…

オリジナル勉強風呂Gu 第633回 2022.12/10

古文研究法65-5 源氏物語桐壺:亡きあとまで、人の胸あくまじかりける人の御おぼえかな。 その死後も、他の妃たちの胸のつかえがおさまらないほどの、帝の故桐壺更衣への、御寵愛だこと。 N君:桐壺更衣が亡くなった後、帝の落胆ぶりを見て正妻である弘徽殿…

オリジナル勉強風呂Gu 第632回 2022.12/9

古文研究法65-4 土佐日記:この人、必ずしも言ひ使う者にあらざなり。 この人は別に、召し使っている者でもないようだ。 N君:「あらざるなり」が「あらざなり」になったのですが、それはいったいどういうわけか? と調べてみたら「音便(おんびん)形」という…

オリジナル勉強風呂Gu 第631回 2022.12/8

古文研究法65-3 徒然草:うすものの表紙はとく損ずるがわびしき、と人の言ひき。 「薄い絹地を使った表紙は早く痛むのがイヤだ」と、ある人が言った。 N君:「うすもの」というのは、薄い絹織物でこしらえた夏服、のことで、ここでは「薄い絹地」くらいの意…

オリジナル勉強風呂Gu 第630回 2022.12/7

古文研究法65-2 古今集 冬:降る雪はかつぞ消(け)ぬらし あしひきの 山のたぎつ瀬音まさるなり 降る雪は、春めいた陽気のために、降るそばから消えてしまうようだ。雪解けで水嵩が増し山間の急流の瀬音がよく聞こえるから。 N君:「かつ」は「同時に、一方で…

オリジナル勉強風呂Gu 第629回 2022.12/6

古文研究法65-1 古今集 春:今をかも咲きにほふらむ橘の 小島の埼(さき)の山吹の花 今もまあ、美しく咲いているだろうか、あの橘小島の突き出た所にある山吹の花は。 N君:「らむ」は現在推量。推量というのはものすごく範囲が広くて「む、むず、まし、けむ…

オリジナル勉強風呂Gu 第628回 2022.12/5

古文研究法64-2 枕草子:「あかねさす日に向かひても思ひ出でよ 都は晴れぬながめすらむと」と御手にて書かせ給へる。いみじうあはれなり。さる君を見置き奉りてこそえ行くまじけれ。 「そなたが日向国へ着いたら東から登ってくる太陽に向かってせめて思い出…

オリジナル勉強風呂Gu 第627回 2022.12/4

古文研究法64-1 枕草子:御乳母(めのと)の大輔(たいふ)のけふ日向へ下るに、賜はする扇どもの中に、片つ方は、日いとうららかに射(さ)したる田舎の館(たち)など多くして、いま片つ方は、京のさるべき所にて雨いみじう降りたるに、(以下次回へ続く) 定子様の…

オリジナル勉強風呂Gu 第626回 2022.12/3

古文研究法63-2 源氏物語須磨:いと見所ありてしなさせ給ふ。水深う遣(や)りなし植木などして、今は、としづまり給ふ心地、現(うつつ)ならず。かかる旅所ともなく、人さわがしけれども、はかばかしく物をも宣(のたま)ひあはす人しなければ、知らぬ国の心地し…

オリジナル勉強風呂Gu 第625回 2022.12/2

古文研究法63-1 源氏物語須磨:おはすべき所は、行平の中納言の藻汐(もしほ)垂れつつ詫びける家居(いえゐ)近きわたりなりけり。茅屋(かやや)ども芦(あし)葺(ふ)ける廊(らう)めく屋など、をかしうしつらひなしたり。所につけたる御すまひ、様(やう)変はりて、…

オリジナル勉強風呂Gu 第624回 2022.12/1

古文研究法62-2 徒然草:孫晨(そんしん)は冬の月に衾(ふすま)なくて藁一束(わらひとつかね)ありけるを、夕にはこれに臥し朝にはをさめけり。唐土(もろこし)の人はこれをいみじと思へばこそ記しとどめて世にも伝へけめ。これらの人は語り伝ふべからず。 孫晨…

オリジナル勉強風呂Gu 第623回 2022.11/30

古文研究法62-1 徒然草:人は己(おの)れをつづましやかにし奢(おご)りを退けて財(たから)を持たず、世を貪(むさぼ)らざらむこそいみじかるべき。昔より賢(かた)き人の富めるは稀なり。唐土(もろこし)に許由といいつる人は、さらに身にしたがへる蓄えもなくて…

オリジナル勉強風呂Gu 第622回 2022.11/29

古文研究法61-2 枕草子:よき人の御(おん)ことはさらなり。下衆(げす)などのほどにも親などの愛(かな)しうする子は目立て耳立てられていたはしうこそ覚ゆれ。見る甲斐あるは、ことはり、いかが思はざらむ、と覚ゆ。殊(こと)なることなきはまた、これをかなし…

オリジナル勉強風呂Gu 第621回 2022.11/28

古文研究法61-1 枕草子:世の中になほいと心憂きものは、人に憎まれむことこそあるべけれ。誰(たれ)てふ物狂ひか、われ人にさ思はれむ、と思はむ。されど自然(じねん)に宮仕え所にも親はらからの中にても、思はるる・思はれぬ、があるぞいとわびしきや。 世…

オリジナル勉強風呂Gu 第620回 2022.11/27

古文研究法60-2 源氏物語須磨:げにいかに思ふらむ、我が身より親はらから片時たち離れ難く、程につけつつ思ふらむ家を別れてかく惑ひあへる、と思(おぼ)すに、いみじくて、いとかく思ひ沈む様(さま)を心細しと思ふらむ、と思(おぼ)せば、昼はなにくれとたは…

オリジナル勉強風呂Gu 第619回 2022.11/26

古文研究法60-1 源氏物語須磨:枕を欹(そばだ)てて四方(よも)の嵐を聞き給ふに、浪ただここもとに立ち来る心地して涙落つともおぼえぬに、枕浮くばかりになりにけり。琴を少し掻き鳴らし給へるが、我ながらいとすごう聞こゆれば、弾きさして「恋ひわびて泣く…

オリジナル勉強風呂Gu 第618回 2022.11/25

古文研究法57-2 枕草子:まいて験者(げんざ)などはいと苦しげなめり。困(こう)じて睡(ねぶ)れば「睡りをのみして」などもどかる。いとところせく、いかにおぼゆらむ。 普通の坊さんでさえこれほど窮屈なのに、まして修験者などはたいそう苦しげに見える。く…

オリジナル勉強風呂Gu 第617回 2022.11/24

古文研究法57-1 枕草子:思はむ子を法師になしたらむこそ心苦しけれ。ただ木の端(は)などのやうに思ひたるこそ、いと愛(いと)ほしけれ。精進物(さうじもの)のいと悪(あ)しきをうち食ひ寝(い)ぬるをも。若きはものもゆかしからむ。女などのあるところをも、な…

オリジナル勉強風呂Gu 第616回 2022.11/23

古文研究法56-2 枕草子:女房はすべて年の内うち晦日(つごもり)までもえあらじとのみ申すに、あまり遠くも申しつるかな、げにえしもやあらざらむ、一日(ついたち)などぞ言ふべかりける、と下(した)には思へど、さはれ、さまでなくとも言ひ初(そ)めてむことは…

オリジナル勉強風呂Gu 第615回 2022.11/22

古文研究法56-1 枕草子:(定子)「これ、いつまでありなむ」と人々にのたまはするに、(女房たち)「十日はありなむ」「十余日(とうよひ)はありなむ」など、ただこのころのほどをある限り申すに、(定子)「いかに」と問はせ給へば、(私=筆者=清少納言)「正月(…

オリジナル勉強風呂Gu 第614回 2022.11/21

古文研究法55-2 源氏物語若紫:「心はづかしき人住むなる所にこそあなれ。あやしうもあまりやつしけるかな。聞きもこそすれ」など宣(のたま)ふ。清げなる童(わらは)などあまた出で来て閼伽(あか)奉り花折りなどするもあらはに見ゆ。 源氏は「さぞかし素晴ら…

オリジナル勉強風呂Gu 第613回 2022.11/20

古文研究法55-1 源氏物語若紫:見渡し給へば高き所にて、ここかしこ僧坊どもあらはに見おろさる。「同じ小柴なれど麗(うるは)しうしわたして清げなる家(や)・廊(らう)など続けて木立(こだち)いと由(よし)あるは何人(なにびと)の住むにか」と問ひ給へば、御供…

オリジナル勉強風呂Gu 第612回 2022.11/19

古文研究法54-2 方丈記:恐ろしき山ならねどフクロウの声を憐れむにつけても、山中の景色、機(をり)につけて尽くることなし。況(いはん)や深く思ひ深く知れらむ人のためには、これにしも限るべからず。 恐ろしい山ではないが、フクロウの声にしみじみと心を…

オリジナル勉強風呂Gu 第611回 2022.11/18

古文研究法54-1 方丈記:もし夜静かなれば、窓の月に故人を偲び猿の声に袖をうるほす。くさむらの蛍は遠く真木の島の篝火(かがりび)にまがひ、暁(あかつき)の雨はおのづから木の葉吹く嵐に似たり。山鳥のホロホロと鳴くを聞きても父か母かと疑ひ、峯の鹿(か…

オリジナル勉強風呂Gu 第610回 2022.11/17

古文研究法53 枕草子:清水(きよみず)に籠(こも)りたりしにわざと御使ひして賜はせたりし唐(から)の紙の赤みたるに、草(そう)に「『山近きいりあひの鐘の声ごとに 恋ふる心の数は知るらむ』ものを、こよなの長居や」とぞ書かせ給へる。紙などのなめげならぬ…

オリジナル勉強風呂Gu 第609回 2022.11/16

古文研究法52-2 蜻蛉日記:ここちにはなほ苦しきあたりなど思ふほどに、人々「督(かう)の殿なりけり」と言ふに、いとあさましういみじ。我が家も築墻(ついひじ)ばかり隔てたれば、さわがしう若き人をもまどはしやしつらむ、いかでわたらむとまどふにしも、車…