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文系科目ダメダメな中高生・浪人生のための英作文修行

オリジナル勉強風呂Gu 第638回 2022.12/15

古文研究法67-3 和泉式部日記:秋のうちに朽(く)ち果てぬべし ことはりの時雨(しぐれ)に誰が袖を借(か)らまし

まだ秋のうちに私の袖は涙でボロボロになってしまうに違いない。すると、冬になって当然やってくるはずの時雨が降ってきたら、誰かの袖を借りて時雨に濡れないようにしなくてはなるまいが、さて誰の袖を借りたらよかろうか?

N君:古文ではお決まりの「袖」「涙」「濡れる」の取り合わせです。僕も最近慣れてきました。袖だけを借りるわけにもいかないので、袖を借りる、ということはつまり、その人と恋人同士になる、という意味ですよね。「ぬべし」「つべし」は、完了+推量 の組み合わせですが、これは確述「~に違いない」の意味になります。「理(ことはり)の」は「当然~するハズの」の意味。「時雨」は、秋から冬にかけて降ったり止んだりするパラパラ雨のことで、これも400回台のK先輩歴史放談の阿仏尼「十六夜日記(いざよいにっき)」のところで出てきました。こうしてみるとK先輩の何でもない話の中に結構いろんなことがちりばめられていたんだなあ、と実感します。

Owing to your cold-hearted attitude, the cuffs of my clothes are sure to get worn-out with tears before winter comes.  If winter, when a drizzle is expected to fall, actually comes, I will have to keep me dry by covering myself with someone's cuff.  But I am worried about whether there is any kind woman but you who will lend me a cuff.

S先生:まずまずではありますがちょっと硬い。3か所に使われた cuff は「袖口」はいずれも変なので変更する必要があります。第1文の cuffs は sleeves へ、第2文の cuff は clothes へ、第3文の a cuff も clothes へ、変えましょう。第2文の keep me dry by covering myself with ~ は理屈上べつに間違いではないのですが何となく硬いので、keep me from getting wet with ~ としてみてはどうですか? このほうがスッキリすると思います。

Your cold-heartedness will surely make my sleeves worn out with tears before winter comes.  It won't be long before wintry drizzle begins to fall, then I will have to borrow a kimono from someone so that I may not get wet, but who(whom) shall I borrow it from ?  I can't think of anyone but you、、、.

N君:先生の第2文 It won't be long before ~「~するより以前はそんなに長くない」→「じきに~するだろう」は勉強になる言い方です。

S先生:慣用句というわけではないですが、結構決まった言い方です。英語にはこういう感じの「決まった言い方」みたいなものがたくさんあります。日本語でもそうですよね。たくさんの英文に触れて、自分の引き出しをたくさん持つことも大切です。