kn0617aaのブログ

文系科目ダメダメな中高生・浪人生のための英作文修行

オリジナル勉強風呂Gu 第636回 2022.12/13

古文研究法67-1 謡曲「鉢の木」:行方(ゆくえ)定めぬ道なれば、来(こ)し方(かた)もいづくならまし。

どこへというあてのない旅だから、やって来た方角も、どうなんだろうか、よく分からない。

N君:「鉢の木」は、これも400回台のK先輩歴史放談に出てきた5代執権北条時頼と佐野源左衛門常世(さのげんざえもんつねよ)の話です。世阿弥の作と伝えられています。日本人好みの良い話です。僕も子供の頃になにかの絵本で見たことがあります。

I have no plan about this journey out of apathy.  Therefore I don't even know the direction I came from.

S先生:今日は短いですが色々と重要な指摘があります。第1文の this journey out of apathy に問題あり、です。apathy「無関心・無感動・しらけ」であり out of apathy「人生にしらけて」という副詞句はありえるのですが、そのためには本文の述部が動作動詞でなければなりません。ところがN君の第1文述部は have no plan であって動きが感じられない。「人生をあきらめて山にこもった」とか「人生をあきらめて会社をやめた」のような文で out of apathy を使ってほしいのです。したがってここでは out of apathy を除外して、this journey を this capricious journey「この気まぐれな旅」くらいに変えてみてはいかがでしょうか。out of ~ をここで使うのはいけません。もっと適切な状況があるので、辞書を引いて確かめておきましょう。ちなみに研究社の辞書には、I acted out of necessity.「必要に迫られてやった」という例文が出ていました。第2文は came がいけません。時制の一致に気を配るべきで、ここは現在形の主節に合わせて I came from を I have come from に変えましょう。ついつい和訳につられてこのように came と英作文してしまいがちなので、特に試験の時などは要注意です。

I am traveling around aimlessly, and so I don't even know what direction I have come from.