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文系科目ダメダメな中高生・浪人生のための英作文修行

オリジナル勉強風呂Gu 第613回 2022.11/20

古文研究法55-1 源氏物語若紫:見渡し給へば高き所にて、ここかしこ僧坊どもあらはに見おろさる。「同じ小柴なれど麗(うるは)しうしわたして清げなる家(や)・廊(らう)など続けて木立(こだち)いと由(よし)あるは何人(なにびと)の住むにか」と問ひ給へば、御供なる人「これなむなにがし僧都(そうず)のこの二年(ふたとせ)籠りはべりける坊にはべるなる」。

源氏がそのあたりをお見渡しになると、そこは高い所なのであちこちに僧の住院がいくつもすっかり見おろされる。「同じような小柴垣だがキチンと作りめぐらされていてこぎれいな家や廊も建っており木々にも趣があるのは、いったい誰の住む所か?」と源氏がお尋ねになると、お供の者は「これがあのナニナニ僧都が二年このかた籠っております住院だそうでございます」と答えた。

N君光源氏が供を連れて山歩きをしているときに、ちょっと高い所から広大な寺の境内に点在する沢山の宿坊を見下ろしている、という場面です。比叡山だろうと思います。「なり」は前出の係助詞「なむ」に呼応して連体形「なる」になっていますが、そういう係り結びの話よりも、「なる」の直前が終止形であることが大切で、これによって「なる」は断定ではなくて伝聞推定を表していることが分かります。

Looking down at here and there from a considerably high place, Genji could see a number of guesthouses standing in the temple.  He asked, "Among those, who lives in the elegant house with neat ridges, corridors and trees ?"  His subordinate answered, "That is the very house in which the famous monk has secluded himself for two years."

S先生:よく書けていますが1か所だけ明らかな誤りがあります。第1文冒頭の Looking down at here and there の at は不要なので除外して下さい。here and there はこのままで副詞句になっているので前置詞 at は不要なのです。もしもここが名詞ならば Looking down at the house のように前置詞 at が必要になります。 第1文の分詞構文の中にある considerably はくどい感じがするので除外するほうが良いでしょう。同じく第1文主節の動詞 could see は間違いではないのですが、分詞構文で look を使って主節で再び see を使うのはマズイ感じがします。could see を found くらいに変えてみてはどうでしょうか。

Standing at a high place, Genji looked down at the monk's quarters here and there.  He said, "The premises are surrounded by the same woodbrush fences.  A neat and beautiful monastery with long and narrow corridors stands in them, enclosed by imposing trees,"  asking who on earth lived there.  His vassal said, "That is th very monastery where the famous So and So monk has lived in seclusion for two years."

N君:quarter「宿舎」、premise「構内、境内」、monastery「修道院」、imposing「堂々とした、印象的な」、vassal「家臣」