kn0617aaのブログ

文系科目ダメダメな中高生・浪人生のための英作文修行

オリジナル勉強風呂Gu 第873回 2023.8/8

最終回の総まとめ:約2年半873回に渡ってやってきた一大事業が終了しました。登場人物は3人。N君は数学物理の得意な高校2年生で、文系教科がダメダメな生徒です。いわゆる理系オタクとも言うべき生徒であり、理屈っぽくて人の気持ちが分からないし、分からな…

オリジナル勉強風呂Gu 第872回 2023.8/7

古文研究法 あとがき 12:しかし青年期の感じ方が唯一のものだと思ってはいけない。諸君の前にはまだまだ未知の広い世界がある。その広い世界に分け入るため、私の書いてきたことが役に立つならば、私は大変嬉しい。 N君:ついに本編最終回です。小西甚一先…

オリジナル勉強風呂Gu 第871回 2023.8/6

古文研究法 あとがき 11:徒然草に書いてあるようなことは諸君をあまり同感させないであろう。しかし20年の後にはきっと頷(うなず)くに違いない。同感できないものは今無理に同感するには及ばない。それは青春を歪めるだけだから。 N君:K先輩が第504回で紹…

オリジナル勉強風呂Gu 第870回 2023.8/5

古文研究法 あとがき 10:頭の柔軟な青年期にしっかり勉強しておけばいつでも知識は再生してくる。私がこの本で述べた程度のことを今身に付けておいた人は、生涯、古典を友とすることができるであろう。 N君:第455回でK先輩が紹介してくれた内田百閒(うちだ…

オリジナル勉強風呂Gu 第869回 2023.8/4

古文研究法 あとがき 9:だが、少し人生の経験を積んで社会の重要な仕事を受け持つ頃になると、どうしても日本の古典へ帰らざるを得ない。またその頃になると古典の味が本当に分かってくる。ところが古典は現代語で書かれていない。現代語訳でもある程度まで…

オリジナル勉強風呂Gu 第868回 2023.8/3

古文研究法 あとがき 8:若いうちは優れた翻訳小説にでも熱中するがよろしい。外国の文化について無関心な人は、とてもこれからの世の中に活動できるものではない。 N君:小西先生は「高校生の時にちょっと古典をかじった後、若い間は一旦古典から離れて色々…

オリジナル勉強風呂Gu 第867回 2023.8/2

古文研究法 あとがき 7:しかし日本の古典には、今の若い人たちが情熱を持って読みふけることのできるような作品が、残念なことにあまり多くはない。だから、いま無理に興味を持ちたまえ、とは奨めないつもりである。 N君:確かに今昔物語のように面白いのも…

オリジナル勉強風呂Gu 第866回 2023.8/1

古文研究法 あとがき 6:西洋ではどれほど古典が尊重されているか、よく日本人全体で考え直して欲しい。近松門左衛門の著名な作品について何事も答えられなかった日本外交官が、国際的な恥をかいた話もあるのだから。 N君:古典ってメチャ大切なんですね。僕…

オリジナル勉強風呂Gu 第865回 2023.7/31

古文研究法 あとがき 5:私は1年半あまりアメリカの大学で比較文学という研究をしていたが、その間、自国の古典がどんなに尊いものであるかを身に沁みて悟らされた。 N君:留学すると色々見えるんですね。 I became quite aware of how the classical litera…

オリジナル勉強風呂Gu 第864回 2023.7/30

古文研究法 あとがき 4:そうして悪文の標本としか思えないような舌足らずの現代文が入試問題に登場し、吹けば飛ぶような三文作家の名が人麻呂や紫式部や芭蕉と並んで出題されている。こんなばかげた話はない。 N君:小西先生の怒りが滲んでいます。僕らが「…

オリジナル勉強風呂Gu 第863回 2023.7/29

古文研究法 あとがき 3:ところが戦後の日本では古典を軽視することが進歩的であるかのような誤った考え方が横行し、西洋の近代芸術をまねることが日本を世界的にするとでも考えているらしい人達は、高校の教科課程から古典をひどく減らしてしまった。 N君:…

オリジナル勉強風呂Gu 第862回 2023.7/28

古文研究法 あとがき 2 :自分の国の古典というものは民族の宝である。立派な国の立派な人たちは皆、自国の古典について深い理解と高い誇りを持っている。イギリスでもフランスでもソ連でも中国でも、古典は大変尊重されている。古典を尊重しないような国は…

オリジナル勉強風呂Gu 第861回 2023.7/27

古文研究法 あとがき 1:長々と古文の勉強について述べてきた。辛抱して終わりまで読んで下さった諸君に厚く感謝したい。というのは、この本を私が書いたのは、入学試験の対策なんかだけに役立てようとしたわけではなく、試験勉強というやむを得ない仕事に対…

オリジナル勉強風呂Gu 第860回 2023.7/26

古文研究法155-2 大鏡より:(宣耀殿女御が)古今うかべさせ給へり、と聞かせ給ひて、帝、試みに本を隠して女御には見せ奉り給はで「やまとうたは」とあるを始めにて、前の句の言葉を仰せられつつ問はせ給ひけるに、言ひ違(たが)へ給ふ、言葉にても歌にてもな…

オリジナル勉強風呂Gu 第859回 2023.7/25

古文研究法155-1 大鏡より:村上の御時の宣燿殿(せんえうでん)の女御、かたちをかしげに美しうおはしけり。帝いとかしこく時めかせ給ひてかく仰せられけるとか。「生きての世死にての後の後の世も 羽を交(かは)せる鳥となりなむ」。御返し、女御、「秋になる…

オリジナル勉強風呂Gu 第858回 2023.7/24

古文研究法154-3 おらが春(小林一茶)より:その噂、東西南北にぱっと弘がりぬ。つらつら思ふに、全く有りとは信じ難く、また、ひたすら無しと片づけ難し。天地不思議のなせるわざにて、いにしへ甘露を降らせ、少女(をとめ)の天下りて舞ひし例(ためし)なきに…

オリジナル勉強風呂Gu 第857回 2023.7/23

古文研究法154-2 平家物語より:雲海沈々として晴天既に暮れなんとす。孤島に夕霧隔てつつ月海上に浮かぶ。極浦の浪を分け、汐(なぎさ)に引かれ行く舟は半天の雲に遡(さかのぼ)る。日数(ひかず)経(ふ)れば都は山川程を隔てつつ遠国(おんごく)はまた近くなる…

オリジナル勉強風呂Gu 第856回 2023.7/22

古文研究法154-1 枕草子より:炭櫃(すびつ)に隙(ひま)なくゐたる人々、唐衣(からぎぬ)こきたれたるほど慣れやすらかなるを見るもいとうらやまし。御文とりつぎ、立ち居、行き違ふさまなどのつつましげならず、もの言ひ、ゑ笑ふ。いつの世にかさやうに交らひ…

オリジナル勉強風呂Gu 第855回 2023.7/21

古文研究法153-12 芭蕉:雲雀(ひばり)より上に安らふ峠かな 峠に登り着いて一休みしているとヒバリの声が聞こえる。いつもは頭の上に聞く声だが今は下から聞こえてくる。 N君:小西甚一先生の解説によると「微かな驚きと無心の喜びが感じられる一句」とのこ…

オリジナル勉強風呂Gu 第854回 2023.7/20

古文研究法153-11 芭蕉:春なれや名も無き山の朝霞 普段なら見過ごしてしまいそうな平凡な山に朝霞がたなびいて何となく心惹かれる、春だからだろうか。 N君:「春なれや」というのは「春だなあ」くらいの意味かと思っていたのですが、「~、春だからだろう…

オリジナル勉強風呂Gu 第853回 2023.7/19

古文研究法153-10 芭蕉:山路来て何やらゆかし菫(すみれ)草 独り山道をたどっていると何だかほのぼのと心惹かれることがあるのだが、それが何であるかは我ながら意識には登らない。ふと見ると道端に可憐なスミレが咲いている、私のほのぼのとした思いを迎え…

オリジナル勉強風呂Gu 第852回 2023.7/18

古文研究法153-9 芭蕉:しばらくは花の上なる月夜かな やがて西空に傾き去るであろう月ではあるが、しばらくは桜花の上にあり、映え合って夢のように美しい春の夜だ。 N君:小西甚一先生の解説によれば、「明るく美しい景物である月と花を採り上げながらもシ…

オリジナル勉強風呂Gu 第851回 2023.7/17

古文研究法153-8 西行:露しげく浅茅(あさじ)しげれる野になりて ありし都は見し心地せぬ 露がいっぱいで低いチガヤの繁っている野原になってしまい、以前の都とはすっかり見違えるほどの荒れようだ。 N君:西行が生きた平安末期~鎌倉初期の京は、暴風雨の…

オリジナル勉強風呂Gu 第850回 2023.7/16

古文研究法153-7 西行:いづくにか眠り眠りて倒れ伏さんと 思ふ悲しき道芝の露 このように夜毎の野宿を重ねていづれは道端の芝に置く露のように、私はどこかに倒れ伏すことだろう。 N君:野宿の旅とは辛いことですね。冬は無理でしょう。西行よりも少し前の…

オリジナル勉強風呂Gu 第849回 2023.7/15

古文研究法153-6 西行:かき分けて折れば露こそこぼれけれ 浅茅(あさじ)に混じる撫子(なでしこ)の花 低いチガヤ混じっているのをかき分けて撫子の花を折ると、露がハラハラとこぼれる。 N君:この歌は倒置法で詠まれているのですね、気付きませんでした。 Pu…

オリジナル勉強風呂Gu 第848回 2023.7/14

古文研究法153-5 西行:浅茅原(あさじはら)葉末の露の玉ごとに 光つらぬる秋の夜の月 低いチガヤの生えた野では、葉末の露の玉ひとつひとつに秋夜の月光が宿されている。 N君:百人一首No.37文屋朝康「白露に風の吹きしく秋の野は貫き止めぬ玉ぞ散りける」に…

オリジナル勉強風呂Gu 第847回 2023.7/13

古文研究法153-4 山部赤人:春の野にすみれ摘みにと来(こ)し吾(われ)ぞ 野をなつかしみ一夜宿(ね)にける 春の野にスミレを摘みに来た私は、この野があまりにも親しみ深い感じなので、思わず一晩泊まってしまった。 N君:古代のおおらかさがよく出た歌です。…

オリジナル勉強風呂Gu 第846回 2023.7/12

古文研究法153-3 山部赤人:明日よりは春菜摘まんと標(し)めし野に 昨日も今日も雪は降りつつ 明日から若菜を摘もうと思ってシメを張っておいた野に、昨日も今日も雪が降っていることだ。 N君:こんな「花見の場所取り」みたいなことを古代の人もやっていた…

オリジナル勉強風呂Gu 第845回 2023.7/11

古文研究法153-2 山部赤人:印南野(いなみの)の浅茅(あさじ)押しなべさ宿(ぬ)る夜の 日(け)長くあれば家ししのばゆ 印南野の低いチガヤを押し伏せて旅寝する夜が何日も重なったので、我が家が恋しくなったなあ。 N君:「宿(ぬ)」は「寝(ぬ)」のことでしょう…

オリジナル勉強風呂Gu 第844回 2023.7/10

古文研究法153-1 山部赤人:あしひきの山谷越えて野づかさに 今は鳴くらむ鶯の声 山や谷を越えて、野の小高い所で今頃は鳴いているだろうな、ウグイスが。 N君:山部赤人は百人一首No.4「田子の浦ゆ打ち出でて見れば真白にぞ富士の高嶺に雪は降りける」を歌…