kn0617aaのブログ

文系科目ダメダメな中高生・浪人生のための英作文修行

オリジナル勉強風呂Gu 第843回 2023.7/9

古文研究法152-6 談林風:時鳥(ホトトギス)いかに鬼神もたしかに聴け いまかいまかと待ちかねるうちに、ようやくホトトギスが一声鳴いた。オイ鳴いたぞ、もう夏だな、皆よく聴け、鬼神もよく聴け。 N君:この句は何を言っているのか全く分かりませんでした。…

オリジナル勉強風呂Gu 第842回 2023.7/8

古文研究法152-5 蕉風:うづくまる薬のもとの寒さかな 芭蕉先生は死の床にあり、弟子たちは看病に一生懸命だ。疲れと不安で私は炉のほとりにうづくまった。ちょうどいま煎じている薬の匂いがプーンとして私の心をいっそう切実にした。その日は寒い夜で、その…

オリジナル勉強風呂Gu 第841回 2023.7/7

古文研究法152-4 貞門風:歌いくさ文武二道の蛙(かはづ)かな 紀貫之は「花に鳴く鶯・水に棲む蛙の声を聞けば、生きとし生ける者、いづれか歌を詠まざりける」と言ったから、蛙は歌詠みのはずで文の道に通じている。しかし今ゲロゲロとわめいているのは歌で合…

オリジナル勉強風呂Gu 第840回 2023.7/6

古文研究法152-3 月並調:雪の中の雪見つけたり一つ松 一面銀世界で見渡すところ雪のほかは何もないのだが、その中でひときわ目立つ雪がある。それは松に積もった雪で、松の雪こそ雪の中の雪。雪の王様だ。 N君:小西甚一先生の解説では「松に雪、という風流…

オリジナル勉強風呂Gu 第839回 2023.7/5

古文研究法152-2 天明調:狩衣(かりぎぬ)の袖の裏這ふ蛍かな 平安朝の貴公子が眼に浮かぶ。夏のことだから薄物を着ているわけだが、その狩衣の袖を通して蛍の光が美しく明滅する。蛍を袖に入れることは平安朝の歌にも多く見え、いかにも王朝らしい古典美の世…

オリジナル勉強風呂Gu 第838回 2023.7/4

古文研究法152-1 蕉風:下京(しもぎゃう)や雪積む上の夜の雨 下京のあたり、雪の積もった上に夜の雨がしんしんと降る。閑寂の中に冬の侘しさが籠っており、下京という場所(貴族が暮らす上京に対して庶民の暮らす下京)の感じと、しっくり溶け合った情景だ。 N…

オリジナル勉強風呂Gu 第837回 2023.7/3

古文研究法151-5 新古今集より:大空は梅のにほひに霞みつつ 曇りも果てぬ春の夜の月 大空は梅の香りを漂わせながら一面に霞んでおり、しかし曇りというほどでもない春の夜空には、朧月(おぼろづき)がかすかに見えている。 N君:部分否定を使った作文をすべ…

オリジナル勉強風呂Gu 第836回 2023.7/2

古文研究法151-4 金槐集(源実朝)より:時により過ぐれば民の嘆きなり 八大竜王雨やめ給へ 時と場合によっては有難いはずの雨だって度が過ぎると人民の悩みの種になりますから、八大竜王よ、どうか雨をおやめ下さい。 N君:ある気候学者の先生から伺った話で…

オリジナル勉強風呂Gu 第835回 2023.7/1

古文研究法151-3 万葉集より:桜田へ鶴(たづ)鳴き渡るあゆち潟 汐干(しほひ)にけらし鶴(たづ)鳴き渡る 桜田の方へ鶴が鳴きながら飛んで行く。あゆち潟は潮が引いたらしいな。餌を求めて鶴が鳴きながら飛んで行く。 N君:「けらし」は「けるらし」つまり「過…

オリジナル勉強風呂Gu 第834回 2023.6/30

古文研究法151-2 山家集(西行)より:花にそむ心はいかで残りけむ 捨て果ててきと思ふ我が身は 桜の花に憧れる心だけがどうして残ったのだろうか、あらゆる迷いや執着をすべて捨て切ったと信じている私なのに。 N君:「そむ」は漢字で書くと「染む」で、「深…

オリジナル勉強風呂Gu 第833回 2023.6/29

古文研究法151-1 古今集より:春霞立つを見捨ててゆく雁は 花なき里に住みやならへる 春霞が立つこの頃、もう桜が咲くのも近いのにそれを見もしないで雁は北へ帰って行く。彼らは花のない土地に住み慣れているからなのだろう。 N君:「住みならふ」に、係助…

オリジナル勉強風呂Gu 第832回 2023.6/28

古文研究法150-3 新古今集より:風通ふ寝覚めの袖の花の香に かをる枕の春の夜の夢 藤原俊成女(ふじわらしゅんぜいのむすめ) 風がほのかに吹き過ぎて夢から覚めた。枕代わりにしていた袖に花の香が残っているような気がする。それは春の夜の甘美な夢の名残り…

オリジナル勉強風呂Gu 第831回 2023.6/27

古文研究法150-2 古今集より:袖ひじてむすびし水の氷(こほ)れるを 春立つ今日の風やとくらむ 夏の頃、袖を濡らしながら手に掬(すく)ってその冷たさを楽しんだ水が、秋も過ぎて冬になって凍ってしまった。その氷を立春の風がどこかで溶かしているんだろうな…

オリジナル勉強風呂Gu 第830回 2023.6/26

古文研究法150-1 万葉集より:石激(いはばし)る垂水(たるみ)の上の早蕨(さわらび)の 萌え出づる春になりにけるかも 志貴皇子(しきのみこ) 岩の上を激しく流れる滝のほとりにある蕨が芽吹く春になったなあ。 N君:僕はこの歌が好きです。水しぶきのひとつひと…

オリジナル勉強風呂Gu 第829回 2023.6/25

古文研究法149-6 今昔物語より:今は昔、愛宕(あたご)の山に久しく行なふ持経者の聖人(しゃうにん)ありけり。年来、法華経を持(たも)ち奉りて他の念なくして、坊の外に出づることなかりけり。 昔々、愛宕山に長年修行して経文を大切にする和尚がいた。数年こ…

オリジナル勉強風呂Gu 第828回 2023.6/24

古文研究法149-5 竹取物語より:おのが身はこの国の人にしもあらず、月の都の人なり。それを昔の契(ちぎ)りありけるによりてなむ、この世界にまうで来たりける。 私はこの地球上の人ではなく月世界の都の者です。ところが、過去にどうしてもこうなる宿縁が決…

オリジナル勉強風呂Gu 第827回 2023.6/23

古文研究法149-4 枕草子より:秋は夕暮れ。夕日はなやかにさして山際(やまぎは)いと近うなりたるに、烏(からす)の寝所(ねどころ)へ行くとて、三つ四つ・二つなど飛び行くさへあはれなり。 秋は夕暮れが良い。夕陽が赤々と射して山の稜線が近く見える所に、カ…

オリジナル勉強風呂Gu 第826回 2023.6/22

古文研究法149-3 伊勢物語より:京には見えぬ鳥なれば皆人知らず。渡守(わたしもり)に問ひければ「これなむ都鳥」と言ふを聞きて、(在原業平)「名にし負(お)はばいざ言問はむ都鳥 我が思ふ人はありやなしやと」と詠めりければ、舟こぞりて泣きにけり。 都で…

オリジナル勉強風呂Gu 第825回 2023.6/21

古文研究法149-2 古今集より:年の内に春は来にけり一年(ひととせ)を去年(こぞ)とやいはむ今年とやいはむ まだ年内なのに立春が来てしまった。同じ年なのに、それを去年と呼んだらよいのか、それとも、今年と呼んだらよいのか。 N君:太陰暦の場合こういうこ…

オリジナル勉強風呂Gu 第824回 2023.6/20

古文研究法149-1 土佐日記(紀貫之)より:男もすなる日記といふものを女もしてみむとてするなり。 男もやっているという日記というものを、女の私もやってみようというわけで、書くのです。 N君:貫之が女のふりして書く土佐日記の冒頭部分です。助動詞「なり…

オリジナル勉強風呂Gu 第823回 2023.6/19

古文研究法148-2 藤原家隆:花をのみ待つらん人に山里の 雪間の草の春を見せばや 春になったら桜だ、というわけで、皆華やかな桜の花ばかりを待っているようだが、そういう人に、ひっそりとした山里に積んだ雪が解けてその雪と雪の間から緑色の草がチラリと…

オリジナル勉強風呂Gu 第822回 2023.6/18

古文研究法148-1 藤原定家:見渡せば花も紅葉もなかりけり 浦の苫屋(とまや)の秋の夕暮れ ふと我に返って見渡すと春の桜もなく秋の紅葉も散った後であった。そこにあったのは、浦にポツンと立つ漁師の小屋だけで、秋の夕暮れの侘しさが身に迫ってきた。 N君…

オリジナル勉強風呂Gu 第821回 2023.6/17

古文研究法146-4 三つのしるべ(藤井高尚)より:すべて源氏物語より先に出で来たる、または同じ頃なる物語・草子やうのものは、皆ひとふしありて見るに甲斐あり。遅れて出で来たるは、おほかたは源氏物語の様(さま)に習ひて書けるものにてめづらしきふしなし…

オリジナル勉強風呂Gu 第820回 2023.6/16

古文研究法146-3 三つのしるべ(藤井高尚)より:たとへば同じ人の書ける文も、紫式部日記は源氏物語にはいたく劣れるが如し。物語の親なる竹取物語・宇津保物語はいと古き物語にて文こはごはし。 (フィクションよりノンフィクションが面白い、という前回から…

オリジナル勉強風呂Gu 第819回 2023.6/15

古文研究法146-2 三つのしるべ(藤井高尚)より:早き頃の、土佐の日記・蜻蛉(かげろふ)の日記・清少納言の枕草子・栄花の物語、などとりどりにをかしく、これらは狭衣(さごろも)の作り主に勝るべき文書きのしわざなれど、そのかみありつる事ども書き記したる…

オリジナル勉強風呂Gu 第818回 2023.6/14

古文研究法146-1 三つのしるべ(藤井高尚)より:今の京となりて文(ふみ)の優れて良きは、伊勢の物語・源氏の物語なり。伊勢物語は詞(ことば)少なくいといと深き心を言はでこめたる書き様(ざま)いひ知らず面白し。源氏物語は深き心を下には込めながら、うはべ…

オリジナル勉強風呂Gu 第817回 2023.6/13

古文研究法143-2 笈の小文(おひのおぶみ、松尾芭蕉)より:かの三月(さんげつ)の糧(かて)を集むるに力を入れず。紙子(かみこ)・綿子(わたこ)などといふもの、帽子(まうす)・したうづやうのもの、心々に送り集(つど)ひて霜雪の寒苦を厭(いと)ふに心なし。ある…

オリジナル勉強風呂Gu 第816回 2023.6/12

古文研究法143-1 笈の小文(おひのこぶみ、松尾芭蕉):神無月の初め、空定めなき景色、身は風葉の末なき心地して(芭蕉)「旅人と我が名呼ばれむ初しぐれ」。(長太郎)「また山茶花(さざんか)を宿々にして」、岩城(いわき)の住、長太郎といふ者この脇を付けて其…

オリジナル勉強風呂Gu 第815回 2023.6/11

古文研究法142-2 日本永代蔵(井原西鶴)より:さるに依って今時の仲人(なかうど)、まず敷金(しきがね)を穿鑿(せんさく)して、あとにて、その娘御(むすめご)は片輪(かたは)ではないかと尋ねける。昔とは各別、欲ゆゑ人の願ひも変はれり。 そのためこの頃の仲人…

オリジナル勉強風呂Gu 第814回 2023.6/10

古文研究法142-1 日本永代蔵(井原西鶴)より:万年暦の合ふも不思議、合はぬもをかし。近代の縁組は相性・容貌(かたち)にもかまはず、付けておこす金性(かねしゃう)の娘を好むこと、世の習ひとはなりぬ。 占い本に書いてあることが的中するのも不思議だけれど…