kn0617aaのブログ

文系科目ダメダメな中高生・浪人生のための英作文修行

オリジナル勉強風呂Gu 第872回 2023.8/7

古文研究法 あとがき 12:しかし青年期の感じ方が唯一のものだと思ってはいけない。諸君の前にはまだまだ未知の広い世界がある。その広い世界に分け入るため、私の書いてきたことが役に立つならば、私は大変嬉しい。

N君:ついに本編最終回です。小西甚一先生の「青年期の感じ方が唯一のものだと思ってはいけない」というのは、なんだか人生の道標を与えられたような、不思議な金言です。S先生にも長いことご指導頂きありがとうございました。僕のどうしようもない国語力・英語力が長足の進歩を遂げたように思います。

However, you should not be obsessed with the idea that how to feel in young days is the best one.  There spreads a broad and unknown world to be cultivated in front of you.  I am very glad if what I have written in this book is useful for you to make your way into the world.

S先生:第1文の how to feel in young days もよいですが、what you feel in your young days のほうがよいと思います。

But you should be free from your idea that what you feel in your youth is the best.  There still spreads a broad and unknown world before you.  How happy I shall be if what I have written in this book is useful for you when you will go into it.

N君:先生の第3文後半 when you will go into it「広く未知の世界に分け入る時には」ですが、「時の副詞節の中では未来のことも現在形で書く」というルールに従えば willは不要、と思いますがいかがでしょうか?

S先生:その通りなのですが、ここでは私は未来ではなく「強い意志」のつもりで will を使ったのです。つまり「君が広く未知の世界へどうしても分け入っていくのであれば」のような意味です。なかなかややこしいですが、「このような副詞節の中に何故 will がないのか、何故 will があるのか」ということをN君が考える一つのきっかけになってくれれば嬉しいです。

ついにやりましたね。長恨歌~源氏~百人一首~古文研究法 の旅は長いようで終わってみれば短かったような気もします。毎回の作業は、ああでもないこうでもない、と、ない知恵を絞って悪戦苦闘の連続でした。私自身が初歩的な誤りを犯したことも多々ありました。本当にお恥ずかしい限りです。仮に間違いのない場合でも、学のある人から見れば「このSさんはなんと拙い英語を書くのだろう」と思われてしまうことでしょう。しかしこれが私に出来る限界でした。N君の英語は、当初は硬くてどうしようもなかったのですが、回を追うごとに角がとれてどんどん英語らしくなってきました。最近では格段の進歩が見られ、私も老骨に鞭打ってやってきた甲斐がありました。昭和11年広島生まれの私としては、昭和20年8月6日原爆投下に関して綴った The Saddest Day in my Life が本編の第523~527回に取り上げられたことが、最も印象深かったです。この拙い文章で、後世の若い人が少しでも原爆の悲惨さを感じて頂けたら、私も幸せです。まあとにかく、N君、長いことお疲れ様でした。

K先輩:第423~522回で日本史の歴史放談を担当したKです。数学物理が得意な反面、文系科目ダメダメだったN君。そのN君が次第に文学を楽しめるようになっていく姿を、頼もしく拝見させて頂きました。私も歴史放談でその一翼を担うことができたとすれば嬉しいです。今後N君は得意な数学物理化学の道を歩むでしょうが、本シリーズで学んだ現古漢+英語+日本史 の素養を、人生の色々な場面に生かしていって下さい。健闘を祈ります。