kn0617aaのブログ

文系科目ダメダメな中高生・浪人生のための英作文修行

オリジナル勉強風呂Gu 第741回 2023.3/29

古文研究法116-2 更級日記より:「荒磯はあされど何の甲斐なくて 潮(うしほ)に濡るる海人(あま)の袖かな」。いま一人「みるめ生(お)ふる浦にあらずは荒磯の 波間数(かぞ)ふる海人(あま)もあらじを」。同じ心にかやうに言ひ交(かは)し、世の中の憂きも辛きもをかしきもかたみに言ひ語らふ。

詠みかけられた二人のうちの一人は「本当に宮仕えはこれという楽しみもなく悲しいことばかりでございましたわねえ」と返歌し、もう一人は「親しい人に会える楽しみもないのでとても我慢できません」と返歌した。仲良く、こんなふうに言い合って、人付き合いの嫌なことも辛いことも趣深いことも、お互いに語り合ったのであった。

N君:和歌の解釈が全く分かりませんでした。二つめの歌に出てくる「みるめ」は「海松布」と「見る目」の掛詞らしいです。「海松布」は食用の海藻で、「見る目」は会う機会。こんなのは全く知りませんでした。「同じ心に」は「仲良く」の意。「世の中」は「人付き合い」の意です。副詞「かたみに」は「お互いに」の意で結構よくでてきます。英語なら with each other あるいは reciprocally でしょう。

One of the two ladies expressed her agreement, saying, "What you say is indeed right.  Everything about the life at Court did not make me cheerful.  I was always disappointed."  Another said as well, "While serving at Court, we cannot look forward to coming across close friends living around our houses.  This is a very unbearable thing."  The three ladies friendly talked with each other about a nuisance over social or personal relationships at Court, and about some tasteful happenings which occurred occasionally.

S先生:だいたい良いのですが2か所ほど言いたいことがあります。第6文の friendly は ly で終わる形容詞です。普通 ly が付くと副詞なのですが、friendly は形容詞なのです。この形容詞を副詞にしたい時は friendlily としなければなりません。ここも friendlily にしましょう。同じく第6文末の happenings which occurred ocasionally が説明的すぎると思いました。which occurred ocasionally の意味は既に happenings の中に入っているので which 以下を除外するのがよいと思います。

One of the two returned, "Indeed court service has no pleasure to speak of, full of sorrow.  Another replied, "Since you have no chance to see close friends of yours, you will find it unbearable."  The three ladies friendlily talked with each other about how uncomfortable it was to get along with others and how pleasant it was at the same time.

N君:先生の第2文後半 you will find it unbearable に出てくる it は「友達に会えないこと」を指している、と考えてよいですか?

S先生:そうです。この形式目的語 it は、前出の Since 節の内容を指しています。形式目的語としてはやや珍しい使い方と言えるでしょう。

N君:「宮仕えの辛い日々」と言いたい時、僕なりの発想では the painful days when I worked hard at Court となるのですが、この when はもしかしたら不必要なのではないか? と感じたのですが、、、、

S先生:関係副詞の話ですね。正式にはやはり必要ですが、この場合はなくてもよいです。あってもなくてもよい、ということです。同じような例文として、I will never forget the time (when) I met you first.「初めて会った日を忘れない」や、There is no reason (why) I should do it by myself.「それを僕自身でやるべき理由がない」があります。このような場合もこの関係副詞は、あってもなくてもよい、のです。