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文系科目ダメダメな中高生・浪人生のための英作文修行

オリジナル勉強風呂Gu 第621回 2022.11/28

古文研究法61-1 枕草子:世の中になほいと心憂きものは、人に憎まれむことこそあるべけれ。(たれ)てふ物狂ひ、われ人に思はれむ、と思はむ。されど自然(じねん)に宮仕え所にも親はらからの中にても、思はるる・思はれぬ、があるぞいとわびしきや。

世の中に暮らしていく上で何といってもやりきれないのは「人に憎まれるようなこと」であろう。どんな変人でも、自分は他人から憎まれたい、なんて思う者があろうか。そんな奴はいない。けれど勤め先でも親兄弟の間でも、可愛がられる者と可愛がられない者とが自然にできるのは実にイヤなことである。

N君:まずは反語です。「誰か故郷を思はざる」というのは「いったい誰が故郷のことを懐かしく思わないだろうか、そんなやつはいない、皆故郷を懐かしく思う」という意味です。「誰てふ物狂いか、われ人にさ思はれむ、と思はむ」の「さ」は「憎まれること」を指しています。「思はるる・思はれぬ」は連体形であることに注目すべきであって、この後に「人」を補って考える必要があります。こういう連体形の用法は古文の中では比較的よく出てくる言い方なので慣れておかなければなりません。

It is to be hated by others that we cannot bear in human society.  Who on earth, however eccentric he is, wants to be hated ?  It is hardly possible.  However, both in offices and in relatives, it is unavoidable that some are spontaneously loved and others are not.  It is a nasty trend, I think.

S先生:おおむね良好ですが、第1文の to be はいけません。これでも間違いとは言えませんが動名詞 being を使うのが普通です。それから第3文の It is hardly possible. は不要です。第2文があれば充分でしょう。

What is most unbearable in the world is being hated by others.  Is there any eccentric who wants to be detested ?  Naturally, however, some are loved and others are not, whether in offices or in the nearest relatives.  The mere thought of it makes me disgusting.

N君:先生の第4文 The mere thought of it makes me disgusting. はどういう意味ですか? mere は only みたいなものですね。

S先生:mere を含む抽象名詞主語が誘導する文です。この文は「そう思うだけでイヤな気になる」という意味です。これがたとえば The mere sight of ~ なら「~を見るだけで、、、」となります。辞書に例文が出ているハズなのでチェックしておきましょう。たまに出てくる形なので知っておく方が良いでしょう。