古文研究法149-1 土佐日記(紀貫之)より:男もすなる日記といふものを女もしてみむとてするなり。
男もやっているという日記というものを、女の私もやってみようというわけで、書くのです。
N君:貫之が女のふりして書く土佐日記の冒頭部分です。助動詞「なり」が二か所に出てきており昔から恰好の例文となっています。はじめの「すなる」は終止形に付いた「なり」であってこれは伝聞推定。あとの「するなり」は連体形に付いた「なり」であってこれは断定。助動詞活用表の左のほうに並んでいます。
Nowadays some men will often write a diary. I, one of women, also want to follow them. Today I have begun to do.
S先生:第2文の follow them「男たちの後を追う」もよいですが、ここはどちらかというと「男たちの真似をする」という意味が強いので imitate them でもよいですね。
It is men who are allowed to keep a diary. Though I am a woman, I also want to try to. It might be presumptuous of me.
N君:先生の第3文は「私が日記を書くことは少々僭越かもしれないが」という意味でよいですか?
S先生:よいです。