2023-04-23から1日間の記事一覧
古文研究法146-4 三つのしるべ(藤井高尚)より:すべて源氏物語より先に出で来たる、または同じ頃なる物語・草子やうのものは、皆ひとふしありて見るに甲斐あり。遅れて出で来たるは、おほかたは源氏物語の様(さま)に習ひて書けるものにてめづらしきふしなし…
古文研究法146-3 三つのしるべ(藤井高尚)より:たとへば同じ人の書ける文も、紫式部日記は源氏物語にはいたく劣れるが如し。物語の親なる竹取物語・宇津保物語はいと古き物語にて文こはごはし。 (フィクションよりノンフィクションが面白い、という前回から…
古文研究法146-2 三つのしるべ(藤井高尚)より:早き頃の、土佐の日記・蜻蛉(かげろふ)の日記・清少納言の枕草子・栄花の物語、などとりどりにをかしく、これらは狭衣(さごろも)の作り主に勝るべき文書きのしわざなれど、そのかみありつる事ども書き記したる…
古文研究法146-1 三つのしるべ(藤井高尚)より:今の京となりて文(ふみ)の優れて良きは、伊勢の物語・源氏の物語なり。伊勢物語は詞(ことば)少なくいといと深き心を言はでこめたる書き様(ざま)いひ知らず面白し。源氏物語は深き心を下には込めながら、うはべ…
古文研究法143-2 笈の小文(おひのおぶみ、松尾芭蕉)より:かの三月(さんげつ)の糧(かて)を集むるに力を入れず。紙子(かみこ)・綿子(わたこ)などといふもの、帽子(まうす)・したうづやうのもの、心々に送り集(つど)ひて霜雪の寒苦を厭(いと)ふに心なし。ある…
古文研究法143-1 笈の小文(おひのこぶみ、松尾芭蕉):神無月の初め、空定めなき景色、身は風葉の末なき心地して(芭蕉)「旅人と我が名呼ばれむ初しぐれ」。(長太郎)「また山茶花(さざんか)を宿々にして」、岩城(いわき)の住、長太郎といふ者この脇を付けて其…
古文研究法142-2 日本永代蔵(井原西鶴)より:さるに依って今時の仲人(なかうど)、まず敷金(しきがね)を穿鑿(せんさく)して、あとにて、その娘御(むすめご)は片輪(かたは)ではないかと尋ねける。昔とは各別、欲ゆゑ人の願ひも変はれり。 そのためこの頃の仲人…
古文研究法142-1 日本永代蔵(井原西鶴)より:万年暦の合ふも不思議、合はぬもをかし。近代の縁組は相性・容貌(かたち)にもかまはず、付けておこす金性(かねしゃう)の娘を好むこと、世の習ひとはなりぬ。 占い本に書いてあることが的中するのも不思議だけれど…