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文系科目ダメダメな中高生・浪人生のための英作文修行

オリジナル勉強風呂Gu 第815回 2023.6/11

古文研究法142-2 日本永代蔵(井原西鶴)より:さるに依って今時の仲人(なかうど)、まず敷金(しきがね)を穿鑿(せんさく)して、あとにて、その娘御(むすめご)は片輪(かたは)ではないかと尋ねける。昔とは各別、欲ゆゑ人の願ひも変はれり。

そのためこの頃の仲人はまず持参金の多寡を調べて、後で「その娘さんは不具者ではないか?」と尋ねる。昔とは大変に違い、金銭欲のために人の願いも変わってきた。

N君:「尋ねける」が大問題です。普通ならば「尋ねけり」というふうに終止形「けり」を持ってくるべき所です。係助詞「こそ」も無いのに連体形「ける」を持って来たこの形は、係り結びの法則から外れた破格です。しかし江戸時代には、強調構文のひとつとしてこのような言い方が実際にあった、という事実を認めなければなりません。原則があって例外がある、例外を調べることで原則の理解が深まる、と第512回でK先輩がおっしゃっていましたが、そのことを実感しました。

These days what matchmakers care about is contrary to the customs in the old days.  They give priority to how much the bride brings money.  Therefore, they probe into the amount of her money first, and secondly they try to confirm that she is not a handicapped woman.  Compared to the old days when ethics was to be thought more important than economy, how things has changed due to people's desire for wealth !

S先生:第2文 They give priority to how much the bride brings money. でOKですが、money を how much のあとに持ってくるのも考えられます。第4文後半の感嘆文ですが、本来なら how のあとにたとえば definitely のような副詞があるはずなのですが、この場面では書かなくても分かるので省略されているのでしょう。このようなケースは度々見かけます。

The first thing a matchmaker today should do is (to) check how much money a bride can bring to her husband, and the second is (to) see whether or not she has a physical or mental disability.  Life today is completely different from that in the past : people are obsessed with greed for money.  

N君:先生の第1文主語 a matchmaker today「近頃の仲人」 や第2文主語 Life today「最近の生活」 に使われている today は形容詞なのですか?

S先生:この today は本来副詞なのですが、ここでは「副詞の形容詞的用法」だと理解しておいて下さい。

N君:先生の第1文に二度出て来た be+to不定詞 の形では to を使ってもよいし省略してもよい、ということですか?

S先生:この形ではむしろ省略するほうが普通です。

N君:先生の第1文後半 whether or not ~ は普通は whether ~ or not だと思いますがいかがですか?

S先生:~ の部分が長いときは whether or not ~ の形が好まれます。これも一つの軽前重後なのでしょう。

N君:今日は「原則と例外」について認識が拡がりました。