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文系科目ダメダメな中高生・浪人生のための英作文修行

オリジナル勉強風呂Gu 第656回 2023.1/2

古文研究法74-2 源氏物語帚木:近くて見む人の聞き分き知るべからむに、語りも合はせばやと、心ひとつに思い余る事など多かるをうちひとりごたるるに、「何事ぞ」などさし仰ぎたらむは、いかがは口惜しからぬ。

気心の知れていて分別のある妻に、夫がシンミリ話してみたいと思って、自分の胸一つには納めきれない沢山の事を独りごととしてつぶやいた時に、妻が「なに?」などと無粋に夫の顔を見上げていたりする。妻のそういう態度を見て夫は、いったいどれだけ残念でないだろうか、イヤ、とても残念でしょう。

N君:前回に続いて今回も解釈が難しいです。書かれないまま主語が妻になったり夫になったりするからです。古文の醍醐味とも呼べるのでしょうが、やっぱり主語を書いてほしいです。さて出だしの「近くて見む人の聞き分き思い知るべからむに」が何のことやらサッパリ分かりません。まず「見る」は「結婚する」の意で、これは超重要です。ゆえに、近くて見る人、というのは、自分が結婚している人、のことであり、「気心の知れた妻」となります。「聞き分き思い知る」は「分別のある」で、英語なら discreet でしょうか。ここの「~なる人の~+連体形」という言い方は古文では頻出で、「~であってかつ~な人」のような意味になります。

Suppose that you have a discreet wife with whom you get along well.  It is natural that you would like to talk seriously with her about what you cannot keep in your mind and you express yourself unintensionally.  Then she often turns her innocent face to you and says in a prosaic way, "What ?"  You will feel bitter at her infifferent manner, and think that if only she could understand your feelings.

S先生:だいたい良いですが第4文 that 節の中身は、単に if only she could understand your feelings とするよりも、もう少し丁寧に how happy you would be if only she understand your feelings「妻があなたの気持ちを推し量ってくれさえしたらあなたはどんなにか幸せでしょう」とするほうが良いと思います。

A husband often wants to quietly unburden his heart to his trusted and sensible wife.  When he unconsciously talk about what he thinks secretly, she insensively asks him what he is muttering, looking up at his face.  Seeing her behave so rudely, how mortified he will feel !

N君:mortify「情欲や感情を抑制する」について研究社の辞書で調べました。過去分詞 mortified「心を痛めて、くやしくて」は、He felt mortified by his mistake.「ミスをしでかしてくやしかった」のように使われます。現在分詞 mortifying「癪に障る、くやしい」も同じような意味ですが、過去分詞と現在分詞の使われ方の違いについてネット上の英和辞典で調べてみました。「彼は負けて悔しいと思ったに違いない」という例文を二通りに表現しておりました。主観的に言うなら He must be mortified at his defeat.   客観的に言うなら His defeat must be mortifying to him. とのことでした。なんとなく分かります。