kn0617aaのブログ

文系科目ダメダメな中高生・浪人生のための英作文修行

オリジナル勉強風呂Gu 第655回 2023.1/1

古文研究法74-1 源氏物語帚木:まめまめしき筋を立てて、耳はさみがちに、美相なき家刀自(いへとうじ)の、ひとへにうちとけたる後見(うしろみ)ばかりをして、朝夕の出で入りにつけても、おほやけ・わたくしのたたずまひ、良き・悪しき事の目にも耳にもとまるありさまを、うとき人わざとうちまねばやは

実用主義に徹し、額髪を耳にはさむようなことで身だしなみにも気を使わず、しゃれっ気もない主婦が、ただもう日常的な世話ばかりやいて、一方夫は朝夕の出勤・帰宅につけても、外で見た公人・私人の行動や、良かれ悪しかれ見聞きした事柄を、(家事ばっかりやって)事情に通じていない妻に、なんだってわざわざ話して聞かせたりしましょうや、決して話しません

N君:以前やった帚木、つまり、雨夜の品定め、の一場面を再度やってみます。源氏・頭中将・左馬頭・藤式部の若い男4人が雨の降る晩に、内裏の宿直室で、女性論を戦わしている場面です。「女房にするにはこんな女がイイ、悪い」とか「あんな女がいて手を焼いた」とか、いろいろ話しています。「まめまめし」の「まめ」は「浮ついた様子がなくて本格的」の意で、その反対が「あだ」で「エエ加減」です。「耳はさみ」というのは、女性が髪を耳介に挟む行為で、優雅さに欠けるはしたない行為とされていました。「美相なき家刀自」は「しゃれっ気のない主婦」です。「うちとけたる後見」というのは「形式ばっていない世話」つまり「日常的な家事」の意味。その次が難しくて、主語が突然、妻から夫に変わります。このことが書かれていないので読む方は大変です。こういうところが古文のイヤな所。ここに「一方夫は」と補わなければなりません。そうしてずっと読み進めてきて「うとき人」というのが「家事ばかりやっていて公私の事情に通じていない妻」を指している、と見破ることができるでしょうか。僕には無理です。「まねぶ」は「まねをする、そのまま繰り返す、話して聞かす」ですが、ここも難しいです。最後に反語「やは」がありますね。理解を妨げる障壁が複数立ち並んでおり、やはり源氏物語は難しいです。

A housewife is apt to behave realistically, thinking highly of the real life of her family.  Having no wish to look smart, she takes little care about her clothes.  She is also indifferent to be criticized about her immodest behavior, for example, putting her forelock between her temple and auricle.  She is too busy with her household chores to pay attention to her own clothes, worldly affairs, and her husband.  On the other hand, a husband always see or hear how public officials and private persons behave variously, no matter how praiseworthy or vicious it is.  He won't talk about it to his wife who don't know much about the world.

S先生:まずまずの出来ですが第3文 be indifferent to ~「~に対して無頓着で、冷淡で」の to は不定詞ではなくて前置詞なので、~部分は名詞でなければならず、したがってここでは being criticized about、、、としなければなりません。間違い易い所なので注意しましょう。さて今回私は「できるだけ簡潔に」を心がけて作文してみました。

A housewife, who is so careless ahout her appearance that she does not mind putting her forelock behind her ears, is always absorbed in only doing her household chores, while a husband sees and hears private or public persons' various behaviors good or bad when he goes out.  Can you think that he will take the trouble telling what he has seen and heard outside to his wife who know little of the world ?  It is of no use at all.

N君:先生の第1文に出た be absorbed in doing「~に熱中する」と同様に、第2文の take the trouble in doing「わざわざ~する」も in が必要だと思いますが、どうですか?

S先生:take the trouble in doing の in は今ではほぼ省略されて、ほとんどの場合 take the trouble doing の形になっています。in があっても間違いではないですが、ちょっと古風な感じがします。一方、be absorbed in doing のほうは必ず in が要ります。必要な in と消え行く in のニュアンスの違いを感じてほしいところです。