2022-03-17から1日間の記事一覧
帚木397:例の人々はいぎたなきに、ひと所すずろにすさまじくおぼし続けらるれど、人に似ぬ心ざまの、なほ消えず立ち昇れりけるとねたく、(源氏の心中)「かかるにつけてこそ心も留まれ」と、かつはおぼしながら、めざましく辛ければ「さはれ」とおぼせども、…
帚木395・396:女もさすがにまどろまざりければ、(姉君)「数ならぬ伏屋に生(お)ふる名の憂さに あるにもあらず消ゆる帚木」と聞こえたり。小君、いといとほしさに、ねぶたくもあらでまどひありくを、(姉君の心中)「人あやしと見るらむ」と、わび給ふ。 姉君…
帚木391・392・393・394:君はいかにたばかりなさむと、まだ幼きをうしろめたく待ち臥し給へるに、不用なるよしを聞こゆれば、あさましくめづらかなりける心のほどを、(源氏)「身もいと恥づかしくこそなりぬれ」と、いといとほしき御気色なり。とばかり物も…