kn0617aaのブログ

文系科目ダメダメな中高生・浪人生のための英作文修行

オリジナル勉強風呂Gu 第813回 2023.6/9

古文研究法141-6 俳人蕪村(正岡子規)より:蛇(じゃ)を截(き)って渡る谷路(たにじ)の若葉かな 漢の高祖が若い頃、谷間の道を行くと大蛇が横たわっていて通れない。そこで剣を抜いて蛇をぶった切って押し通った。その高らかな意気を思い起こすような張りきった…

オリジナル勉強風呂Gu 第812回 2023.6/8

古文研究法141-5 俳人蕪村(正岡子規)より:絶頂の城たのもしき若葉かな 頂上には城が見える。引き締まった威厳と美しい構成の線は見る者に頼もしさを感じさせてくれる。それは、山を埋め尽くす若葉の色を一層鮮やかにさせる。 N君:「若葉」をお題にした蕪村…

オリジナル勉強風呂Gu 第811回 2023.6/7

古文研究法141-4 俳人蕪村(正岡子規)より:富士ひとつ埋(うづ)み残して若葉かな 見渡す限り裾野は若葉だ。その中に埋め残されているのは富士山だけで、初夏の生気に満ちた若葉の景色は壮大そのものだ。 N君:「若葉」をお題にした蕪村の句が続いています。こ…

オリジナル勉強風呂Gu 第810回 2023.6/6

古文研究法141-3 俳人蕪村(正岡子規)より:山に沿(そ)うて小舟漕ぎ行く若葉かな 山は一面の若葉だ。谷間の川を小舟が漕いでゆく。舟の動きが小さく見えるのと対照的に若葉の拡がりは印象が鮮やかだなあ。 N君:共通のお題「若葉」に対して芭蕉が二句詠んだの…

オリジナル勉強風呂Gu 第809回 2023.6/5

古文研究法141-2 俳人蕪村(正岡子規)より:日光東照宮にて、、、、あらたふと青葉若葉の日の光 日光東照宮の荘厳・華麗さには頭が下がる。あたりには青葉若葉が初夏の日光に映えており、その日光は家康公の威徳を象徴するかのように輝かしさに満ちている。 N…

オリジナル勉強風呂Gu 第808回 2023.6/4

古文研究法141-1 俳人蕪村(正岡子規)より:唐招提寺にて、、、若葉して御目(おんめ)の雫(しづく)ぬぐはばや この寺の開祖鑑真和上は天平期に唐から日本へ渡る航海難破の辛苦によって失明したので御像も盲目の姿だ。しかしその見えない肉眼の奥には衆生の業苦…

オリジナル勉強風呂Gu 第807回 2023.6/3

古文研究法140-2 銀河序(松尾芭蕉)より:荒海や佐渡に横たふ天の川 荒海が暗く轟いている、黒く見える影は佐渡島だ、その上を遥かに天の川が横たわっている、悠久の歴史、その流れを乗せて、、、、。 K先輩:古文英訳の勉強中ですがちょっと失礼します。佐渡…

オリジナル勉強風呂Gu 第806回 2023.6/2

古文研究法140-1 銀河序(松尾芭蕉)より:日すでに海に沈んで月ほの暗く銀河半天にかかりて星キラキラと冴えたるに、沖のかたより浪の音しばしば運びて魂けづるが如く腸(はらわた)ちぎれてそぞろに悲しび来たれば草の枕も定まらず、墨の袂(たもと)なにゆゑと…

オリジナル勉強風呂Gu 第805回 2023.6/1

古文研究法139-2 去来抄より:(去来の言葉続き)また”十団子(とをだご)も小粒になりぬ秋の風(許六)"、先師『この句しほりあり』と許し給ひしとなり。総じて、さび・位・ほそみ・しおり、のことは言語筆頭におほせ難し。ただ先師の許ある句を挙げてはべるのみ…

オリジナル勉強風呂Gu 第804回 2023.5/31

古文研究法139-1 去来抄より:野明(のあけ)いはく「句のしほり・ほそみとはいかなるものにや」。去来いはく「しほりはあはれなる句にあらず、ほそみは頼り無き句にあらず。しほりは句の姿にあり、ほそみは句意にあり。これもまた証句を挙げて弁ず。”鳥どもも…

オリジナル勉強風呂Gu 第803回 2023.5/30

古文研究法138-8 新古今集より:心あらむ人にみせばや津の国の 難波わたりの春の景色を 趣味の深い人に見せたいものだなあ、この難波津あたりの美しい春の景色を。 N君:「津の国」というのは要するに「海岸が迫っている地方」くらいの意味なのでしょう。「…

オリジナル勉強風呂Gu 第802回 2023.5/29

古文研究法138-7 新古今集より:花誘ふ比良(ひら)の山風吹きにけり 漕ぎ行く舟の跡見ゆるまで 比良の山から吹き来る風が花を誘って湖上に散らした。おかげで昔の人が「見えない」と詠んだ舟の跡まで鮮やかに見える。 N君:比叡山から北方へ連なるのが比良山…

オリジナル勉強風呂Gu 第801回 2023.5/28

古文研究法138-6 新古今集より:心なき身にもあはれは知られけり 鴫(しぎ)立つ沢の秋の夕暮れ 趣味の浅い無粋な私にもしみじみとした感興が湧き起こった。鴫の飛び立つこの沢で秋の夕暮れを見て。 N君:いかに無粋な僕でも三夕(さんせき)の歌は知っています…

オリジナル勉強風呂Gu 第800回 2023.5/27

古文研究法138-5 新古今集より:竜田川嵐や峯に弱るらむ 渡らぬ水も錦絶えけり 竜田川のあたりで吹く強風が峯に当たって弱まったのであろうか、渡りもしないのに水上に吹き敷かれた紅葉の錦が途絶えてしまった。 N君:前回は「人が川を渡ると紅葉の錦が途絶…

オリジナル勉強風呂Gu 第799回 2023.5/26

古文研究法138-4 新古今集より:竜田川紅葉乱れて流るめり 渡らば錦なかや絶えなむ 竜田川には紅葉がいっぱい散って流れている。それを無理に渡ると、錦のような美しい錦の帯が途切れてしまうかもしれないので、渡りかねるなあ。 N君:この歌はさすがの僕で…

オリジナル勉強風呂Gu 第798回 2023.5/25

古文研究法138-3 新古今集より:山深み春とも知らぬ松の戸に たえだえかかる雪の玉水 奥深い山里なので春になったとも知らずに住んでいるが、松の木で作った戸に、雪解けの水が雫となって落ちてくるので「ああ春になったなあ」と感じられる。 N君:「名詞+…

オリジナル勉強風呂Gu 第797回 2023.5/24

古文研究法138-2 新古今集より:津の国の難波(なには)の春は夢なれや 芦(あし)の枯れ葉に風わたるなり。 「難波津の春」と詠まれて有名なこのあたりの美しい春風景も今は夢のような感じだ。眼前には冬枯れの芦の葉とそれを吹き通る風だけしかない、もの淋し…

オリジナル勉強風呂Gu 第796回 2023.5/23

古文研究法138-1 新古今集より:春の夜の夢の浮橋とだえして 峯に分かるる横雲の空 春の夜にまどろむ夢がふと醒めてしまった。橋の代用につなぎ合わせた小舟の綱が切れて、小舟がどこかへ流れ去ってしまったのだ。ふと見上げると峯のあたりで横にたなびく雲…

オリジナル勉強風呂Gu 第795回 2023.5/22

百人一首137-2 御裳濯川歌合(みもすそがはうたあはせ)より:左右ともに姿さび詞(ことば)をかしく聞こえはべり。右の「まさきのかづら」や、少しいかにぞ、と聞こゆれど、「外山の秋は」など言へる末の句、優(いう)にはべれば、なほ持(じ)と申すべくや。 左右…

オリジナル勉強風呂Gu 第794回 2023.5/21

古文研究法137-1 御裳濯川歌合(みもすそがはうたあはせ)より:「左」きりぎりす夜寒(よさむ)に秋のなるままに 弱るか声の遠去かりゆく 「右」松に這(は)ふまさきのかづら散りにけり 外山(とやま)の秋は風すさぶらむ 「左歌」もう秋も末で夜寒の頃となったの…

オリジナル勉強風呂Gu 第793回 2023.5/20

古文研究法136-2 更級日記より:かかる程のことはいらへぬも便(びん)なし、などあれば、「千草(ちぐさ)なる心ならひに秋の野の」とばかり言はせて、行き過ぎぬ。 こんな場合は返事をしないのも具合が悪い、などと供の者が言うので、私は上句を作って「移り気…

オリジナル勉強風呂Gu 第792回 2023.5/19

古文研究法136-1 更級日記より:八月ばかりに太秦(うづまさ)に籠(こも)るに、一条よりまうづる道に男車、ふたつばかりひきたててものへ行くにもろともに来(く)べき人待つなるべし、過ぎて行くに、随身(ずいじん)だつ者おこせて「花見に行くと君を見るかな」…

オリジナル勉強風呂Gu 第791回 2023.5/18

古文研究法135-4 井原西鶴「世間胸算用」より:せめて金銀わがものに持ち余りてすればなり、降っても照っても昼夜油断のならざる利を出す銀(かね)借る人の身代にて、かかる女の寛闊(くわんくわつ)、能々(よくよく)分別しては我と我が心の恥かしき儀なり。明…

オリジナル勉強風呂Gu 第790回 2023.5/17

古文研究法135-3 井原西鶴「世間胸算用」より:殊に今年はいづかたも女房家主(にょうぼういへぬし)奢(おご)りて、衣類に事欠かぬ身の、そのときの浮世模様の正月小袖をたくみ、帯とても昔渡りの本繻子(ほんじゅす)、一幅に一丈二尺、一筋につき銀二枚が物を…

オリジナル勉強風呂Gu 第789回 2023.5/16

古文研究法135-2 井原西鶴「世間胸算用」より:銭銀(ぜにかね)なくては越されざる冬と春との峠、これ借銭の山高うして登りかねたるほだし、それぞれに子といふものに身代相応の費(つひ)え、さしあたっては目には見えねど、年中に積もりて宝舟にも車にも積み…

オリジナル勉強風呂Gu 第788回 2023.5/15

古文研究法135-1 井原西鶴「世間胸算用」より:世の定めとして、大晦日(おおつごもり)は闇なること、天の岩戸の神代このかた知れたる事なるに人皆常に渡世を油断して毎年ひとつの胸算用違い、節季(せっき)を仕廻(しま)いかね迷惑するは面々覚悟悪(あ)しき故(…

オリジナル勉強風呂Gu 第787回 2023.5/14

古文研究法134-2 井原西鶴「万の文反古(よろづのふみほぐ)」より:常々親しく語り合ひ申し候ふ人には金銀はさておき命を捨て申し候。おのおのの心底、親類とは申し難し。私身代破りそのもとをまかり立ち申し候ふ時、道中の使ひ銀(がね)わづか三十目の事さへ…

オリジナル勉強風呂Gu 第786回 2023.5/13

古文研究法134-1 井原西鶴「万の文反故(よりづのふみほぐ)」より:ここもと珍しき干松茸(ほしまつたけ)一袋下されかたじけなく存じ候(さふらふ)。さりながら御心入れ満足に存ぜず候は、我らこの方へまかり下りし申し候は早十二・三年以前にまかりなり候に、…

オリジナル勉強風呂Gu 第785回 2023.5/12

古文研究法133-2 平家物語「海道くだり」より:(重衡)「かしこうぞなかりける、子だにあらましかばいかに心苦しからん」と宣(のたま)ひけるこそ、せめてもの事なれ。小夜(さや、さよ)の中山にかかり給ふにも、また越ゆべしともおぼえねば、いとどあはれの数…

オリジナル勉強風呂Gu 第784回 2023.5/11

古文研究法133-1 平家物語「海道くだり」より:都を出でて日数(ひかず)経(へ)れば、弥生(やよひ)もなかば過ぎ春も暮れなんとす。遠山の花は残りの雪かと見えて浦々島々霞み渡り、来し方行く末の事どもを思ひ続け給ふに(平重衡)「さればこれはいかなる宿業の…