古文研究法141-4 俳人蕪村(正岡子規)より:富士ひとつ埋(うづ)み残して若葉かな
見渡す限り裾野は若葉だ。その中に埋め残されているのは富士山だけで、初夏の生気に満ちた若葉の景色は壮大そのものだ。
N君:「若葉」をお題にした蕪村の句が続いています。この句は壮大ですね。
I can see Mt. Fuji beyond the sea of young green leaves. It is as if they forgot to cover the mountain.
S先生:第1文の can は不要かもしれないですね。第2文は若葉を擬人化していて面白いですが「初夏の生気に満ちた光」の感じが表現されていません。もうひとひねり欲しいところでした。
All the mountains but Mt. Fuji are covered with young green leaves full of the vigor of early summer.
N君:full of the vigor of early summer が形容詞句として後ろから leaves を修飾している、と考えてよいですか?
S先生:それでよいです。leaves のあとに which are を入れてしまう生徒もいますが、それでは重苦しくなってしまいます。「後置された形容詞句」を使うことで締まった文を作ることができるので、これからも意識してみて下さい。