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文系科目ダメダメな中高生・浪人生のための英作文修行

オリジナル勉強風呂Gu 第661回 2023.1/7

古文研究法76-2 更級日記:「鳥辺山(とりべやま)谷に煙の燃え立たば はかなく見えし我と知らなむ」と、言ひ知らずをかしげにめでたく書き給へるを見て、いとど涙を添へまさる。

「もし鳥辺山の谷に煙が立ち上ったら、その煙は日頃弱々しく見えた私の火葬の煙だと知ってほしい」と、言いようもないくらいに趣深く見事にお書きになってある、その歌を見て、私はひとしお涙を流す。

N君京都市の碁盤の目の街並みから、北西にはずれた化野(あだしの)と南東にはずれた鳥辺野(とりべの)は、平安の昔から死体の棄て場所でした。この歌は、今は亡き姫君が筆者(菅原孝標女)のために書き残しておいてくれた歌なのでしょう。「知らなむ」は「未然形+誂え終助詞なむ」の形で超重要です。「知ってほしいなあ」の意。「誂(あつら)え」というのは、”自分がこうしたい、ではなくて、人にこうしてもらいたい”の意味だそうで、単なる希望とは少し違います。

"If you see a smoke going up from the valley of Mt. Toribe, I would like you to know that I, who looked weak in my lifetime, am being cremated there."  The way she wrote it down was beautiful beyond description, which made me burst into tears.

S先生:今日は上出来でした。特に第2文は締まっていて私好みです。

"If you see a streak of smoke rise up from the valley of Mt. Toribe, I wish you to know it shows that I, who always looked to be living a transient life, am being cremated."  Reading the poem elegant beyond description, I could not help shedding tears.

N君:先生の第2文に出てきた the poem elegant beyond description は形容詞の後置ですか?

S先生:軽い名詞を前に置いて重い形容詞句を後ろに置いた、と理解して下さい。どこまで行っても英語は「軽前重後」です。