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文系科目ダメダメな中高生・浪人生のための英作文修行

古典英訳

オリジナル勉強風呂Gu 第39回 2021.4/26

長恨歌 その39: 為感君王輾転思 遂教方士慇懃覓 君王輾転(てんてん)の思いに感ずるがために遂に方士をして慇懃(いんぎん)に求めしむ。 皇帝の夜も眠れぬ思慕の情に感動して、道士は弟子の方士に命じて、楊貴妃の魂のありかを丁寧に探し求めさせた。 N君:教…

オリジナル勉強風呂Gu 第38回 2021.4/25

長恨歌 その38: 臨邛道士鴻都客 能以精誠致魂魄 臨邛(りんきょう)の道士,鴻都の客、よく精誠をもって魂魄(こんぱく)を致す。 宮廷へ客として招かれた臨邛の道士は、真心をこめた祈りによって死者の魂を招くことができた。 N君:道士って何だろう。加持祈祷…

オリジナル勉強風呂Gu 第37回 2021.4/24

長恨歌 その37: 悠悠生死別経年 魂魄不曾来入夢 悠々たる生死別れて年を経たり。魂魄(こんぱく)かつて来たりて夢に入らず。 生死の境を異にして二人は遠く隔たり、別れてから久しく年が過ぎたけれども、楊貴妃の魂は夢の中にさえ一度も出て来ない。 N君:構…

オリジナル勉強風呂Gu 第36回 2021.4/23

長恨歌 その36: 鴛鴦瓦冷霜華重 翡翠衾寒誰与供 鴛鴦(えんおう)の瓦ひややかにして霜華重く、翡翠のしとね寒くして誰と共にせん。 皮肉にもオシドリの形をした屋根瓦は冷たく、霜の花が重く降っている。カワセミの縫い取りをした掛け布団は寒く、共に寝る人…

オリジナル勉強風呂Gu 第35回 2021.4/22

長恨歌 その35: 遅遅鐘鼓初長夜 耿耿星河欲曙天 遅々たる鐘鼓初めて長き夜、耿耿(こうこう)たる星河あけんと欲するの天。 時刻を告げる鐘や太鼓の音もじれったいほどに間遠く、秋の夜長を初めて思い知らされる。やがて明けようとする空に天の川がしらじらと…

オリジナル勉強風呂Gu 第34回 2021.4/21

長恨歌 その34: 夕殿蛍飛思悄然 孤燈挑尽未成眠 夕殿ほたる飛んで思い悄然たり。孤燈かかげつくしていまだ眠りをなさず。 夜の宮殿にホタルがひとつふたつ飛ぶのを見ては物思いにとらわれる。ポツンとひとつ置かれた燈火の芯をかきたてつくしても眠れない。…

オリジナル勉強風呂Gu 第33回 2021.4/20

長恨歌 その33: 梨園弟子白髪新 椒房阿監青蛾老 梨園のていし白髪新たに、椒房(しょうぼう)の阿監(あかん)青蛾(せいが)老いたり。 かつて玄宗皇帝の音楽所に選ばれた女官たちには白髪が目立つようになり、楊貴妃付きの女官長の美しい顔も老いを見せるばかり…

オリジナル勉強風呂Gu 第32回 2021.4/19

長恨歌 その32: 西宮南内多秋草 落葉満階紅不掃 西宮南内(さいぐうなんだい)秋草多く、落葉きざはしに満ちて紅(くれない)はらわず。 西の御殿も南の御苑も秋の草が生い茂り、落ち葉が宮殿の階段の上を被っても、散ったもみじの葉は掃除もされない。 N君:き…

オリジナル勉強風呂Gu 第31回 2021.4/18

長恨歌 その31: 春風桃李花開日 秋雨梧桐葉落時 春風桃李(とおり)花開くの日、秋雨梧桐(ごとう)葉落つるの時。 春の風に桃やすももの花が咲きはじめる日や、秋の雨に梧桐の葉が散る時には、わけても悲しみがつのる。 N君:漢文の対句は美しいが、英語にはコ…

オリジナル勉強風呂Gu 第30回 2021.4/17

長恨歌 その30: 芙蓉如面柳如眉 対此如何不涙垂 芙蓉はおもてのごとく柳は眉のごとし。これに対して如何(いかん)ぞ涙の垂れざらん。 蓮の花は楊貴妃の顔のようだし、柳は彼女の眉のようだ。これらを前にして、どうして涙を流さずにいられようか。 N君:「ど…

オリジナル勉強風呂Gu 第29回 2021.4/16

長恨歌 その29: 帰来池苑皆依旧 太液芙蓉未央柳 帰り来たればみな旧に依る。太液の芙蓉、未央の柳。 都へ帰ってみると、宮中の池も庭園も昔のままであった。太液池には蓮の花が咲き、未央宮の柳も緑の枝を垂れている。 N君:「昔のまま」なので used to be …

オリジナル勉強風呂Gu 第28回 2021.4/15

長恨歌 その28: 君臣相顧尽霑衣 東望都門信馬帰 君臣あいかえりみてことごとく衣をうるほし、東のかた都門を望み馬にまかせて帰る。 君臣ともに振り返りつつ皆涙で袖を濡らし、しょんぼりと、東方にある長安の城門を目指して、馬の歩みにまかせて帰っていっ…

オリジナル勉強風呂Gu 第27回 2021.4/14

長恨歌 その27: 馬嵬坡下泥土中 不見玉顔空死処 馬嵬坡下(はか)泥土のうち、玉顔を見ずしてむなしく死せしところ。 馬嵬の堤防の下の泥の中に楊貴妃は埋められており、その美しい顔はもう見られず、ただ彼女がむなしく殺された場所だけが残っている。 N君:…

オリジナル勉強風呂Gu 第26回 2021.4/13

長恨歌 その26: 天旋日転廻龍馭 到此躊躇不能去 天めぐり日転じて龍馭(りゅうぎょ)をめぐらし、ここに至りて躊躇して去るあたはず。 やがて天下の情勢が一変して皇帝も長安へ帰ることになったが、ここ馬嵬の駅をよぎる時、足はためらい立ち去ることができな…

オリジナル勉強風呂Gu 第25回 2021.4/12

長恨歌 その25: 行宮見月傷心色 夜雨聞鈴腸断声 行宮(あんぐう)に月を見れば傷心の色、夜雨に鈴を聞けば腸断の声。 仮の皇居で月を眺めればその色に悲しみを感じ、夜の雨に駅馬の鈴の音を聞けばはらわたが断ち切られるような思いをするのであった。 N君:皇…

オリジナル勉強風呂Gu 第24回 2021.4/11

長恨歌 その24: 蜀江水碧蜀山青 聖主朝朝暮暮情 蜀江は水みどりにして蜀山は青く、聖主朝々暮々(ちょうちょうぼぼ)の情。 蜀の川の流れは深みどりで蜀の山は青々と茂っている。皇帝は朝に夕に楊貴妃のことを思っては悲しみに沈む。 N君:「朝々暮々の情」と…

オリジナル勉強風呂Gu 第23回 2021.4/10

長恨歌 その23: 峨眉山下少人行 旌旗無光日色薄 峨眉山下人の行くことまれに、旌旗(せいき)光無く日色薄し。 峨眉山のふもとには道行く人も少なくて、天子の御旗は光なく、陽光も弱くて薄い。 N君:長安を追われた皇帝の一行がトボトボと歩いている様子です…

オリジナル勉強風呂Gu 第22回 2021.4/9

長恨歌 その22: 黄埃散漫風簫索 雲桟縈紆登剣閣 黄埃散漫(こうあいさんまん)風簫索(しょうさく)。 雲桟縈紆(うんさんえいう)剣閣に登る。 黄色い土ぼこりが一面に舞い上がり、風はサワサワと寂しげに吹く。雲の高みにまで登る架け橋がまがりくねり、剣閣山…

オリジナル勉強風呂Gu 第21回 2021.4/8

長恨歌 その21: 君王掩面救不得 回看血涙相和流 君王おもてをおおいて救い得ず、回り看れば血涙相い和して流る。 皇帝は手で顔を覆うばかりで彼女を救うこともできず、振り返り振り返りして見てはそのたびに血の涙を流した。 N君:「血の涙を流す」はただ単…

オリジナル勉強風呂Gu 第20回 2021.4/7

長恨歌 その20: 花鈿委地無人収 翠翹金雀玉掻頭 花鈿地に捨てられて人の収むる無し。 翠翹(すいぎょう)金雀(きんじゃく)玉(ぎょく)掻頭(そうとう)。 花のかんざしは地に捨てられたまま拾う者もいない。かわせみの羽や金の孔雀の形をした髪飾りも玉の笄(こう…

オリジナル勉強風呂Gu 第19回 2021.4/6

長恨歌 その19: 六軍不発無奈何 宛転蛾眉馬前死 六軍発せずいかんともするなく、宛転(えんてん)たる蛾眉馬前に死す。 護衛の兵士たちが出発を拒み、皇帝はどうすることもできなくて、美しい楊貴妃は皇帝の馬の前で死んでしまった。 N君:辞書によると宛転と…

オリジナル勉強風呂Gu 第18回 2021.4/5

長恨歌 その18: 翠華揺揺行復止 西出都門百余里 翠華揺々として行きてまた止まり、西のかた都門を出づること百余里。 皇帝の旗はゆらゆらと進んでは止まりノロノロと行く。そうして長安の城門から百里あまりの馬嵬(ばかい)の地に着いた。 N君:ゆらゆら、ノ…

オリジナル勉強風呂Gu 第17回 2021.4/4

長恨歌 その17: 九重城闕煙塵生 千乗万騎西南行 九重の城闕煙塵生じ、千乗万騎西南に行く。 皇帝のおられる宮城にも戦火の煙と塵が巻き上がり、皇帝の一行は長安を捨てて西南の蜀の地へとおちのびていった。 N君:平家物語ではないが、驕れる者は久しからず…

オリジナル勉強風呂Gu 第16回 2021.4/3

長恨歌 その16: 漁陽鼙鼓動地来 驚破霓裳羽衣曲 漁陽の鼙鼓(へいこ)地を動かして来たり。驚破す霓裳羽衣(げいしょううい)の曲。 その時突如として漁陽の安禄山が謀反を起こし、攻め太鼓の音が大地を揺り動かして押し寄せ、霓裳羽衣の妙なる調べを吹き飛ばし…

オリジナル勉強風呂Gu 第15回 2021.4/2

長恨歌 その15: 緩歌慢舞凝糸竹 尽日君王看不足 緩歌慢舞糸竹を凝らし、尽日君王看れども足らず。 緩やかな歌や静かな舞い、管弦の合奏の妙を尽くし、皇帝は一日中素晴らしい舞楽に浸って飽きることがない。 N君:「飽きることがない = とても満足」と考え…

オリジナル勉強風呂Gu 第14回 2021.4/1

長恨歌 その14: 驪宮高処入青雲 仙楽風瓢処処聞 驪宮高きところ青雲に入り、仙楽風にひるがえりて処処に聞こゆ。 驪山(りざん)の離宮は高くそびえて青雲にとどかんばかりだ。そこで奏でられる仙界の音楽のような妙なるしらべが、ここかしこに聞こえてくる。…

オリジナル勉強風呂Gu 第13回 2021.3/31

長恨歌 その13: 遂令天下父母心 不重生男重生女 遂に天下の父母の心をして、男を生むを重んぜず、女を生むを重んぜしむ。 かくして国中の父母たちの心に、男を生むより女を生む方が良い、と思わせるまでになった。 N君: 令は使役の意味を表す漢字の一つで…

オリジナル勉強風呂Gu 第12回 2021.3/30

長恨歌 その12: 姉妹弟兄皆列土 可憐光彩生門戸 姉妹弟兄みな土をつらね、憐れむべし光彩の門戸に生ずるを。 彼女の兄弟や親戚たちはそれぞれ諸侯に封ぜられ領地を連ねるありさまで、なんとまあ、楊氏一門に眩しい光が輝いていることよ。 N君:列土というの…

オリジナル勉強風呂Gu 第11回 2021.3/29

長恨歌 その11: 金屋粧成嬌侍夜 玉楼宴罷酔和春 金屋(きんおく)装い成って嬌(きょう)として夜に侍(じ)し玉楼(ぎょくろう)宴(うたげ)やんで酔うて春に和す。 黄金の宮殿で綺麗に化粧を凝らすと艶めかしく夜のお相手をして、玉のうてなの宴が終わるとほんのり…

オリジナル勉強風呂Gu 第10回 2021.3/28

長恨歌 その10: 後宮佳麗三千人 三千寵愛在一身 後宮の佳麗三千人、三千の寵愛一身にあり。 後宮には美しい女たちが三千人も侍っているが、その三千人へ注がれるべき皇帝の寵愛は彼女ひとりに注がれた。 N君:構成的にはわりと書き易そうだけど、単語がどう…