長恨歌 その12: 姉妹弟兄皆列土 可憐光彩生門戸
姉妹弟兄みな土をつらね、憐れむべし光彩の門戸に生ずるを。
彼女の兄弟や親戚たちはそれぞれ諸侯に封ぜられ領地を連ねるありさまで、なんとまあ、楊氏一門に眩しい光が輝いていることよ。
N君:列土というのはそういう意味なんですね。可憐というのは「ああ!」という感嘆のため息なのですね。勉強になるなあ。
All her relatives were promoted to the aristocracy without expection and came to rule regions in a raw. How brightly the clan of the Yangs shined !
S先生:列土はたしかに領地を連ねるの意ですが、実際に繋がっているというよりも、肥沃な領地をたくさんもらっちゃった、という風に考えておけば良いと思います。
All her brothers and sisters became lords, given rich fields. Ah, the Yang family glitters dazzlingly.
N君:ウーンなるほど、渾身の in a row も不発だったか。row には「列、ボートを漕ぐ、殴り合い」、spellにも「綴り、呪文、ひと続きの期間」の意味があって、空間的に続いている row と、時間的に続いている spell を対比して遊んでました。単語遊びというのは人からキモイと言われますが、なかなかオツなもので、たとえば、complementは「加えることで完全をめざすような補完物」、compliment は「お世辞、賛辞」で、発音は全く同じ。第2文型 SVC の C は complement =補語 の C だったと知っておおーッとなりました。今回は内容が少し短かったので与太話を入れました。