kn0617aaのブログ

文系科目ダメダメな中高生・浪人生のための英作文修行

オリジナル勉強風呂Gu 第675回 2023.1/21

古文研究法82-2 奥の細道:曙(あけぼの)の空朧朧(ろうろう)として月は有明(ありあけ)にて光収(をさ)まれるものから、富士の峯かすかに見えて、上野・谷中の花の梢、またいつかは、と心細し。

曙の空がボンヤリ霞み月は空に残って、光は薄らいでいるので、その中で富士山が遠くかすかに見える。上野・谷中あたりの桜の花の梢を見るのもまたいつのことになるのだろうと心細い感じがする。

N君:前回の「ものから」は逆接の助詞でしたが、今回の「ものから」は順接の助詞です。周辺状況から逆接なのか順接なのか判断するらしいですが、僕にはその区別は全く無理です。平安時代は逆接だったのに、江戸時代頃から順接になったらしく、ここは鑑賞するだけにとどめておきたいです。「またいつかは」は解釈が難しくてパッと見では分かりません。「~を見るのは次回はいつのことになるのだろう」くらいの意味でしょう。

It is nearly dawn.  The sky is hazy with the moon lingering west and the moonlight growing fainter.  In the vague air, I can see the distant view of the top of Mt. Fuji.  I feel ill at ease about when I will be able to see again the cherry blossoms in bloom around Ueno and Yanaka town.

S先生:ウン、なかなか良い出来です。第2文では付帯状況の with を上手に使うことができました。第4文では when 節の中に will があって神経が行き届いています。一般に「副詞節の中では未来のことでも現在形で表す」という規則がありますが、ここでは I feel ill at ease about ~「~のことが不安だ」という構文で、when 節は前置詞 about の目的語ですから、名詞節になっています。名詞節ですから未来のことは未来形で表します。だから will が必要となります。when 節が名詞節になるのは珍しいので本例は珍しいのですが、忘れずに will を入れたのは立派です。このような細かいことをあまり強調する必要もないし、実際の英文では名詞節なのに will なしで書かれることもよくありますが、入試や学校の試験で尋ねられることがあるので、やはり知っていなければならないでしょうね。それから文末の town は省略可です。

The sky is dim at dawn.  The moon still remains in the western sky, shining faintly.  The top of Mt. Fuji can be seen vaguely in the distance.  When will it be that I'll be able to see again the cherry blossoms blooming at Ueno and Yanaka ?  I feel very uneasy.