kn0617aaのブログ

文系科目ダメダメな中高生・浪人生のための英作文修行

オリジナル勉強風呂Gu 第676回 2023.1/22

古文研究法83-1 古今集より:待つ人も来ぬものゆゑに(うぐいす)の鳴きつる枝を折りてけるかな

待つ人も来ないのに(あの人に見事な花を見せようとして私は)せっかく鶯が楽しく鳴いていた梅の枝を折っちゃったなあ。

N君:接続助詞「ものから」に逆接と順接があることを前々回・前回にやったので、今回・次回は、同じ接続助詞「ものゆゑに」を見ていきます。今回は逆接の「ものゆゑに」で次回が順接の「ものゆゑに」です。一つの言葉が全く反対の意味を表す、というのはおそらく日本語だけではないでしょうか。もともとアヤフヤな言語なのに、「ものから」「ものゆゑに」によってさらにアヤフヤ度が上がります。本当に困ります。この歌は僕には全く理解不能です。好きな人が来ないのに、その人に見せようとして枝を折るでしょうか? 僕は絶対に折らないし、そもそも、折ろう、なんていう発想が浮かびません。むしろ、来ないからこそ「折って持っていこう」という発想になるのであって、ここの「ものゆゑに」が順接なら、僕は分かります。文学というのは、分からぬことの多い不思議な領域です。

Intending to show him the beautiful flower, regretfully I have broken a branch of a Japanese apricot on which a bush warbler are singing lovely songs.  But I could not see him after all.

S先生:第1文の flower に違和感があります。flower というのは草の花であり、樹木の花は blossom で表します。ここは梅の花なので blossoms にしましょう。さて第1文は現在時制で書かれていて、写実的かつ活き活きした感じがあったのに、一転して第2文は過去形になってしぼんだ感じになってしまいました。ここはやはり現在形を続けて、たとえば I am sorry he does not seem to come to see me. くらいにするのが良い、と私は思います。ここの「ものゆゑに」は逆接なのに、N君の作文では順接っぽくなってしまっています。私の作文では「ものゆゑに」が逆接になるように作ってみました。

Though I know that the man I am eagerly waiting for will not come, I have thoughtlessly broken a branch of a plum tree, on which a nichingale is singing merrily, in order to show him the beautiful blossoms.