2021-06-09から1日間の記事一覧
桐壺168:みかど、はた、ましてえ忍びあへ給はず。 帝はどうにも涙をこらえることができなかった。 N君:もともと「え~ず」は不可能を表していますが、それと並列に「あふ+否定語」=「完全には~でない」があるので、合わせると「完全には~できない」の意…
桐壺167:かうぶりし給ひて、御休み所にまかで給ひて、御衣(おんぞ)奉りかへて、おりて拝し奉り給ふさまに、皆涙落とし給ふ。 滞りなく冠を戴き、休息所にいったん退出し、そこで装束をお召し替えになってから東の庭に降りて元服に感謝する所作を帝に捧げる…
桐壺166:いと清らなる御ぐしをそぐほど、心ぐるしげなるを、うへは、みやす所の見ましかば、とおぼしいづるに、堪えがたきを、こころづよく念じかへさせ給ふ。 この麗しいみづらの髪を切る間、調髪の役人どもがいかにも心苦しい表情でいるのを御覧になって…