kn0617aaのブログ

文系科目ダメダメな中高生・浪人生のための英作文修行

オリジナル勉強風呂Gu 第333回 2022.2/14

帚木121・122:(左馬頭の言葉続き)さればよと心おごりするに、さうじみはなし。さるべき女房ばかり泊まりて、(女房)『親の家にこのよさりなむわたりぬる』と答え侍り。

ああやっぱりなあ、とその気になって入ってみると、なんのことはない、本人はいやしない。で、世話する女房ばかりが残っていて、女自身は親の家にさっき帰った、とこう言うじゃありませんか。

N君:happy end かと思ったらなんだかきな臭くなってきました。

'It is what I have expected,' I said to myself and entered the bedroom cheerfully only to find no one there.  She had gone.  All the persons still staying in her house were ladies-in-waiting, who told me that she had already made her way back to her parent's house just before I arrived.

S先生:今日のN君の作文については特に言う事はありません。結果の不定詞や、非制限用法の関係代名詞を、上手に使って良い文章に仕上げていると思います。

Ah, she was waiting as I had expected.  But when I entered the room, she was nowhere to be foundAll there were there were ladies-in-waiting, who said that she had gone home to stay with her parents a short time before.

N君:第2文主節の she was nowhere to be found を見て「英語らしいなあ」と感じました。僕の和製英語脳からは to be found は出てきません。第3文主節はS先生の遊び心が出たのでしょうか。All there were there までが一区切りで、これが主語「そこに居る人みんな」ですね。はじめの there は弱音、あとの there は強く発音します。

S先生:今日は久しぶりに早く終わったので、気楽な雰囲気で英作談義:「普通の条件文と仮定法はどこが違うのか」を考えてみましょう。「もしまた失敗したら、もう一回やってみます」という日本語を英語にしてみましょう。普通に考えると、If I fail again, I will try once more. くらいの文を作りますよね。未来のことを言っているわけですから、主節には will がありますが、If節にはありませんね。if節を含む副詞節の中味はたとえ未来のことでも現在形で書く、という基本的なルールがあって、中学生くらいでも知っている人は知っています。高校生になると、半分以上の人が知っていると思います。副詞節では現在形だが、名詞節ではちゃんと will を使いましょう、という問題が高校生の文法問題で出題されたりします。もし 副詞節のif節の中に will があったら「~するつもりなら」という特別な意味になるので、これは時制とは別の話になります(この件については第335回を見よ)。そのことはさておき、さてここで注意すべきなのは「この文は普通の条件文である」という認識です。動詞が普通の形なのでそう判断できるのです。普通の条件文なので、「失敗するかどうかは分からないが、もし失敗するなら」というくらいの普通のスタンスです。これが仮定法になると、話者の意識が全く違ってきて、「ゆめゆめ失敗しないとは思うけど、もし万一失敗したら」といった意味になるのであって、この意識の違いを話者が表現するためには、動詞の形を変えましょう、ということになるのです。その結果、If I should fail again, I will try again. という文になります。はじめの文と比べると、If節の中に should が無いのか有るのか、だけの違いです。should が無いか有るかで、これだけ大きな意味の違いが発生するわけです。未来のことを言っているので仮定法未来などと呼ばれることもありますが、そんな呼称はどうでもよくて、「should が入ると万一なんだ」と肌で感じることが大切だと思います。この万一の感じをさらに強調しようとして、Sould I fail again, 、、、とする表現法もあるので、こんがらがる生徒もいます。たとえば、高校生が長い論説系の英文を読んでいて突然、Should an earthquake hit the area,、、、などという文章に出会うと、面食らうわけです。疑問文でもないし、条件節っぽいけどどういうことか分からずお手上げ、ということになります。これは If an earthquake should hit the area,、、、という節ですが、should があるから普通の条件節ではなくて仮定法であって、「大丈夫だとは思うが、万が一、地震がこの地域を襲うことがあれば」の意になるのです。今後、if節(専門家は if-clause なんて言います)を見たら、ちょっとだけ立ち止まって、それが普通の条件節なのか、それとも仮定法なのか、考えてみることをお薦めします。