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文系科目ダメダメな中高生・浪人生のための英作文修行

オリジナル勉強風呂Gu 第503回 2022.8/3

百人一首No.81 後徳大寺左大臣:ほととぎす鳴きつる方(かた)をながむれば ただ有明の月ぞ残れる

ホトトギスが鳴いた方を眺めるとそこにはただ有明の月が残っているだけであった。

N君:これはシンプルな歌で作文しやすい。有明の月は「明け方に西の空に残っている白い月」のことです。月は太陽とは逆の方角にあります。

I look in the direction where a little cockoo seemed to be singing only to find an early morning moon hanging in a western sky.

S先生:はじめのほうに出てきた direction はいかなる場合にも前置詞 in を取るので、look に引かれて at を使うのは誤りですし、意味的に to を使うのも誤りです。たとえば Don't go in the wrong direction. が正しくて、to を使うと誤りです。終わりのほうの in a western sky は不定冠詞で正解です。形容詞がない時は in the sky のように定冠詞のことが多いですが、形容詞が入ると不定冠詞に変わることが多い気がします。「only to 不定詞」はここではピッタリでした。結果の不定詞なのですが「徒労の不定詞」とでも呼びたい使い方です。

Looking in the direction where a little cuckoo is singing, I see none but a morning moon, no sign of the bird at all.

MP氏:I look out to where the little cuckoo called, but all that's left is a pale moon in the dawn sky.

N君:MP氏の作品の前半で look out to where ~ というこなれた言い方は僕にはまだできません。多分 look in the direction where ~ みたいな言い方をすると思います。後半の主部 all that's left の that は何を指しているのか? 「その方向=カッコーの声がしたあたり」くらいの意味でしょうが、僕が作文をするとしてもこの言い方はできないと思います。

S先生:look in the direction where ~ はあまりにも硬い感じですね。all that's left は一種の慣用句と考えましょう。字面は all なのに表現したい意味は only となります。英語特有の言い回しなので是非とも慣れて使ってみましょう。

K先輩:漢文の「暁聞郭公」を「暁(あかつき)に郭公(ほととぎす)を聞く」と読みます。漢字の順序を眺めてみると、まず動詞Vが来てその後に目的語Oが来ています。これは英語と同じです。ですから教科として眺めた時に漢文の難しさと英語の難しさは同じくらいかなーと思う人もいるでしょう。でも実際やってみると、漢文のほうが幾分身近で英語は遠い、と実感します。漢文を与えられたらまず訓読して古文に変換しさらに現代文に直す、という面倒な作業があるにもかかわらず「漢文は近く英語は遠い」のです。明治の文豪夏目漱石大先生も同じようなことをおっしゃっていました。私などに比べれば漱石先生の漢文力・英語力は100倍以上と考えられますが、その漱石先生をもってしても「英語は遠い」のです。私は中高の6年間に毎日1時間以上、教科としての英語をやってきましたが、英語力がピークに達した受験直前でさえ、東大京大の入試英語で半分取れれば恩の字という有様でした。教科としてではなく、コミュニケーション能力としての英語の speaking や hearing はひどいもので、全くお話にならないレベルでした。6年間にもわたって毎日やったのですから「BBCnews を聞いて即理解し New York Times をスラスラ読み英国人と笑顔で会話できる」くらいになっていないと変ですよね。でも実際そんなレベルは夢のまた夢でした。才能がないのでしょうか。私が思うに、私の英語がダメな理由は「私が心の底から英語を好いていないから」だろうと思います。私は昔から数学・物理は大好きで徹夜してでも問題を考えたりすることができますが、英語でそれは無理です。「あまり好きではない英語」の力を伸ばしていくにはどうすればよいのでしょうか。否応なく毎日英語に触れざるを得ない状況に身を置く、しかないでしょう。聞く・書く・読む・話す を毎日やる、お金をかけずにやる、日課にする、ということでしょうか。N君も英語には苦労しているでしょう。才能がないのだからライフワークとして毎日やるしかありません。続ければいつか良いこともあるでしょう。