2022-03-02から1日間の記事一覧
帚木280・281・282・283・284・285:(子)「まろは端に寝侍らむ。あなくるし」とて火かかげなどすべし。をんな君はただこの障子口すぢかひたる程にぞ臥したるべき。(女)「中将の君はいづくにぞ。人げ遠きここちして物恐ろし」と言ふなれば、長押(なげし)のし…
帚木274・275・276・277・278・279:寝たりける声のしどけなき、いとよく似かよひたれば、いもうとと聞き給ひつ。(子)「廂(ひさし)にぞ大殿籠りぬる。音に聞きつる御ありさまを見奉りつる。げにこそめでたかりけれ」と、みそかに言ふ。(女)「昼ならましかば…