古文研究法151-4 金槐集(源実朝)より:時により過ぐれば民の嘆きなり 八大竜王雨やめ給へ
時と場合によっては有難いはずの雨だって度が過ぎると人民の悩みの種になりますから、八大竜王よ、どうか雨をおやめ下さい。
N君:ある気候学者の先生から伺った話ですが「平安時代は日照りが多く(平均気温が高く)雨乞いが多く行われていたが、鎌倉時代に入る頃から暴風雨が吹き荒れて(平均気温が下がって)冷害多く争いごとも多くなった」と。この実朝の歌でも、日照りではなくて暴風雨に対する祈りがささげられています。その先生の自説は「歴史は地政学・経済学・外圧によって動くのではなく、『気候変動』や『為政者の持病の状態』によって動くのだ」とのことでした。とても面白い切り口だと思います。
Rain, which has been thought to be a blessing from God, can be a source of distress to people when it rains too much. May it stop raining right now !
S先生:第2文は祈願文ですが、その主語 it を「God を大文字の代名詞で受けた He」にしたいですね。気候を言うときの it は間違いではないですが、ここでは stop の主語として He を使いたいです。
Rain is usually welcome, but when it rains too much, it causes great damage. May not God favor us with a heavy rain !