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文系科目ダメダメな中高生・浪人生のための英作文修行

オリジナル勉強風呂Gu 第777回 2023.5/4

古文研究法130-2 十訓抄より:炎旱(えんかん)の天にはかに雲り渡りて大なる雨降りて、枯れたる稲葉おしなべて緑にかへりけり。忽(たちま)ちに天災をやはらぐる事、唐の貞観の帝の蝗(いなご)を飲めりし政(まつりごと)にも劣らざりけり。

するとカンカン照りの空が急に曇って大雨が降り枯れていた稲の葉がすっかり緑を回復した。即座に天災を撃退したのは、唐の太宗皇帝がイナゴを食べたという善政にも負けない。

N君:ある気候学者の話によると日本の気候はザックリと以下のように変化してきたそうです。縄文以前は寒冷、縄文~弥生時代は温暖、古墳~飛鳥~奈良時代は寒冷、平安時代は温暖、鎌倉~室町~江戸~明治時代は寒冷、その後は少しづつ暖かくなって令和は温暖。最近の夏は暑いですよね。今後200~300年はさらに暑くなり、その後寒くなるでしょう。何万年単位という大きな流れから言うと「現在地球は寒冷化に向かっているが、数百年単位での小さな揺らぎがあって、それが原因で寒くなったり暖かくなったりしている」とのことでした。それは大気中CO2濃度のようなちっぽけな理由よりも、もっと宇宙的な理由(太陽活動自体の変動・公転楕円軌道の揺らぎ・公転面に対する地球自転軸傾斜の揺らぎ)であったり、地球内部マントル活動の変化(北極がNで南極がSは決まり事ではなくこれまで何十回も逆転してきた)であったり、とにかく壮大な理由があるだろう、とのこと。ウィキペディアによると能因法師は988生まれで1050に亡くなっていますから、もろに平安時代の人です。平安時代は温暖で、ちょっと温暖過ぎて旱魃も起こったのでしょう。そういえば「雨乞いの儀式」というのは平安時代に集中しており、他の時代にはあまりありません。江戸時代の初めは小氷期とも呼ばれるくらいに寒冷で、冷害による「天明の大飢饉」も起きています。さて、温暖と寒冷の反復を眺めていると、温暖な時代は平和だったけど寒冷な時代は戦争が激しかった、と読み取ることもできます。温暖だった弥生時代の初め頃は、稲作が一気に九州から青森県まで広がっています。寒冷だった弥生後期から古墳時代に生きた卑弥呼ガンガン戦争してました。歴史というのは地政学的事項・経済学的事項によって左右されるものかと思っていたのですが、案外、気候とか、あるいは為政者の持病・癇癪、のようなことで動くのかもしれません。2022露プーチンウクライナ侵攻を見てそう思いました。

As soon as he did it, the glaring sun and blue sky were immediately covered by thick clouds.  It rained so heavily that all the dead leaves of rice changed its color to vivid green.  This story that Noin drove the natural calamity away at a time is no less wonderful than the historical tale that Emperor Taiso ate a locust to save farmers in the days of Tang.

S先生:第3文で no less wonderful than ~「~に負けず劣らず素晴らしい」を適切に使いこなしています。この言い方はもう慣れましたね。

All of a sudden a blazing sky turned to a cloudy one.  And it began to rain heavily.  The dead leaves of rice got fresh and green.  This miraculous story that Noin overcame the drought moves us as deeply as Emperor Taiso in Tang ate locusts instead of rice to save his people who were suffering from a serious food shortage.