2023-04-04から1日間の記事一覧
古文研究法130-2 十訓抄より:炎旱(えんかん)の天にはかに雲り渡りて大なる雨降りて、枯れたる稲葉おしなべて緑にかへりけり。忽(たちま)ちに天災をやはらぐる事、唐の貞観の帝の蝗(いなご)を飲めりし政(まつりごと)にも劣らざりけり。 するとカンカン照りの…
古文研究法130-1 十訓抄より:能因入道、伊予守実綱に伴ひて彼(か)の国に下りけるに、夏の初め日久しく照りて民の嘆き浅からざりけり。神は和歌に賞(め)で給ふものなり、試みに詠みて三島に奉るべき由(よし)を、国司(=実綱)しきりに勧めければ、(能因)「天の…
古文研究法129-2 (与謝蕪村による)春泥発句集序より:却(かへ)って問ふ、(春泥舎召波)「叟(そう)が示すところの離俗の説、その旨(むね)玄なりといへども、なほこれ公案をこらして我よりして求むるものにあらずや。彼も知らず我も知らず、自然に化して俗を離…
古文研究法129-1 (与謝蕪村による)春泥発句集序より:波、すなはち余に俳諧を問ふ。答へて曰く「俳諧は俗語を用ひて俗を離るるを尊ぶ。俗を離れて俗を用ふ。離俗の法、最も難し。かのなにがしの禅師が『隻手(せきしゅ)の声を聞け』といふもの、すなはち俳諧…