古文研究法149-4 枕草子より:秋は夕暮れ。夕日はなやかにさして山際(やまぎは)いと近うなりたるに、烏(からす)の寝所(ねどころ)へ行くとて、三つ四つ・二つなど飛び行くさへあはれなり。
秋は夕暮れが良い。夕陽が赤々と射して山の稜線が近く見える所に、カラスがねぐらへ帰るというわけで、三羽・四羽はたまた二羽という具合に並んで飛んで行く姿がしみじみ感興深い。
N君:これも有名な一節で教科書にも出ています。春は曙、夏は夜、秋は夕暮れ、冬はつとめて、だったかな。「つとめて」はたしか早朝の意だったと思います。この感覚は、清少納言から1000年以上経った令和の現代にも受け継がれています。よくよく考えてみるとこれはスゴイことだと思います。
Twilight is the best in autumn. Ablaze in the evening sun, mountains seem to be a little near from here. I am touched to see several crows friendly flying to their nest.
S先生:まずまずだと思います。第2文前半は分詞構文で冒頭にあるはずの Being が省略されています。
I feel very calm at dusk in autumn. The mountain range not so far away is glowing in the evening sun. How deeply moved I am to see a cluster of three or four crows flying home to roost !
N君:roost「とまり木にとまる、ねぐらにつく」