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文系科目ダメダメな中高生・浪人生のための英作文修行

オリジナル勉強風呂Gu 第707回 2023.2/22

古文研究法100-1 宇津保物語より:かかることを内裏(うち)聞こしめして、後院(ごゐん)にとて年ごろ造らせ給ふ、大宮の大路よりは東(ひんがし)、二条大路よりは北に、広くおもしろき院あり、それを中納言召して賜(たま)ふとて宣(のたま)ふ。

このような事情をはお聞きになり、数年前から自分の別荘として造営させていた家を ー その家は大宮大路の東、二条大路の北、にあって、広くて興趣ある家なのだがー 中納言を召し出してこの家を与えようということで、次のようにおっしゃった。

N君:前回検討した「はさみこみ」の例を今回も見てみよう、という趣旨で選ばれた一節です。「帝が中納言に家を与えた」という簡潔な構成の中に、「これこれこういう家を」という説明が割って入った形になっています。平安時代の頃の文章というのはまだ未発達だったために、このような分かり難い構成が残っていた、ということなのでしょうか? それは謎ですが、現代の文章からすると「恐ろしく理解し難い文章」という感じがします。「内裏」はここでは「帝」の意、「後院」は「別荘」の意です。「年ごろ」は「数年来」「数年前から」の意味です。

Hearing these circumstances, the Emperor summoned Chunagon to give him the house which was just being built as His exclusive villa from several years ago.  Located along the eastern side of Omiya Main Street and along the northern side of Nijo Main Street, it was tastefully built in a wide lot.

S先生:第1文関係代名詞節の中身の時制が過去進行形になっていますが、ちょっと違和感があります。「数年前から造営が始まっていて、この話をしている時点ではすでに完成していた別荘」というふうに解釈して、時制が過去完了にするのが自然で、となると ago はダメで before になります。from も since に変えましょう。結局、which had been built as His exclusive villa since several years before. とするのが良いでしょう。第2文は前半の分詞構文がやや重たいので、主節を前に出して分詞構文を後置するのが良いかもしれませんね。また「~通り」は Wall Street「ウォール街」のように無冠詞です。「大宮大路」をついつい the major Omiya Street と書いてしまいそうですが、無冠詞の Omiya Main Street くらいのほうがよいでしょうね。今回の作文の構成にはこれといって問題となる所もないので、私もN君と同じ構成で作文してみました。

Hearing these circumstances, the Emperor summoned Chunagon to tell him that He would give him the villa which had been being built since a few years before.  It was large and elegant enough, located in the east of Omiya Main Street and in the north of Nijo Main Street.