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文系科目ダメダメな中高生・浪人生のための英作文修行

オリジナル勉強風呂Gu 第398回 2022.4/20

帚木307・308・309:人柄のたおやぎたるに、強き心をしひて加えたれば、なよ竹のここちして、さすがに折るべくもあらず。まことに心やましくてあながちなる御心ばえを(女君の心中)「いふかたなし」と思ひて泣く様など、いとあはれなり。心苦しくはあれど(源氏の心中)「見ざらましかば口惜しからまし」とおぼす。

もともとこの女君は人柄が優しくて、そこに強い心を無理矢理に加えたので、あたかもなよ竹がなかなか折れないように、どうやっても手折ることは難しそうに見えた。女君は本当に不快に思って、また源氏の無体なやり方を筆舌に尽くしがたく嫌だと思いながら泣く様子など、いかにも気の毒であった。けれども源氏は「自分としては確かに心苦しいけれど、ここで遠慮してもし何もしないで帰ったら、それはそれで後で大きな後悔をするだろう」とも思う。

N君:反実仮想の「ましかば~まし」が出ましたので、ここは仮定法で決まりです。

She was tender by nature.  Stuffing self-assertiveness compulsorily into the tenderness, she was somewhat like a supple bamboo.  Just as a bamboo is hard to snap, so it seemed hard for him to get her acceptance.  She felt completely disputed with the way he made advances to her outrageously.  Actually it was a pity that she was weeping about his indescribably selfish way.  However, he thought to himself, "It is true that I am embarrassed to seduce her impolitely, but it will leave behind the seeds of future regret if I should give up moderately and run away from her with no vestiges."

S先生:今日のところは難しいのでN君も苦労しているようですね。気になった箇所をピックアップしていきましょう。第2文の分子構文 Stuffing self-assertiveness conpulsorily into the tenderness, ですが、stuff という動詞の使い方がちょっと違うような気がします。stuff というのは実体のある物をなにか容器のようなものに詰め込む、といった語感を持っており、stuff papers into a bag のように使います。対象が抽象名詞になっている本文で stuff を使うのは少し違うと思います。ここは But forcing herself to be too self-assertive, くらいに作文するのが無難でしょう。第3文は Just as A, so B「ちょうどAが~であったように、Bも~であった」という大切な語法であり、英作文を学ぶ生徒には是非ともマスターしてほしい言い方です。実際に用例は多いです。ここではN君も適切に使うことができました。前半の be動詞が was ではなくて is なのは「普遍的な真理」を述べているからでしょうね。一般的には後半部と時制を合わせて was とすべきです。でもここは is でもOKでしょう。第7文の it will leave behind the seeds of future regret if ~「もし~したら将来的な後悔を残すだろう」は、ちょっと硬いけれども工夫した面白い表現でした。it が後置された if節の内容を受けていると考えられますね。

She was kind-hearted by nature, but she compelled herself to become a woman with a strong mind.  It seemed difficult for him to win her heart in any way : a young bamboo might be bent, but not broken.  She completely detested his unreasonably selfish behavior.  Though Genji felt very sorry for her, he thought that he would regret greatly later if he should refrain from making love with her.  

私の作文の最後のところで making love with her としたのは、自分でも too straightforwardly ?  と感じています。

N君:そんなことないと思います。直接的に書いてもらったほうがよく分かります。refrain from doing「遠慮して~せずにおく、~を差し控える」は今後使いたい表現です。