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文系科目ダメダメな中高生・浪人生のための英作文修行

オリジナル勉強風呂Gu 第164回 2021.8/29

桐壺104:右近のつかさの、とのゐまうしの声きこゆるは、丑(うし)になるべし。

右の近衛府の宿直役の者がなにがしと名乗りを上げているのが聞こえてくる時分になったので、夜も丑三つになったのである。

N君:The men belonging to the department of "Ukonoe", which was in charge of security, are exchanging their routine takeover loudly.  It lets us know that the clock has passed 2 a.m.

S先生:takeover は「引継ぎ」というより「乗っ取り」みたいな印象が強いので、ここで使うのはあまりよろしくないように思います。「仕事を受け渡す」ために「声を上げて儀式的なことをしている」ととらえて、作文してみましょう。また第2文に clock が出てきますが、平安時代なので clock はなかったと思います。

The guards were ceremoniously crying each of their own names to take turns.  It was already two or three in the morning.

今日の英作談義は「日常のなかの日本語的表現を英語にしたらどうなるか」を考える事がおもしろくてためになる、という話をします。人と会話していて「アッ、これ日本語的だな」という表現に出会ったらメモしておいて、あとで辞書を見ながらその英語表現を考えるのです。「斜め読み」「やっつけ仕事」「おかげさまで」「根回し」などなどいろいろあると思います。なんでもよいからとにかく皆さんの心の琴線に触れた日本語を料理して英語表現に変えてみましょう。対象はたとえば方言でも良いと思います。方言には「標準語では表せない微妙な感覚」が宿っているので、それを英語で抉り出すのです。こうして1日1個を調べていっても終わりはありません。まさに「日暮れて道遠し」ですが、「石の上にも3年」と言いますし、3年くらいがんばってみると英作マスターになっている公算が大きいですよ。今気づいたのですが、料理の対象はことわざでもOKですね。ちょっと試しに「日暮れて道遠し」をやってみましょう。Night has fallen, but we still have a long way to go.  なんてどうでしょうか。