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文系科目ダメダメな中高生・浪人生のための英作文修行

オリジナル勉強風呂Gu 第165回 2021.8/30

桐壺105:人目をおぼして、よるのおとどに入らせ給ひても、まどろませ給ふことかたし。 

さすがにいつまでも起きていては人目にも立つといけないので、帝は寝所へお入りになるが、まどろむことさえ難しい。

N君:The Emperor went into His bedroom in case He might be caught being awake far into the midnight.  However, it was difficult for Him to fall into sleep even for an instant.

S先生:第1文の in case の節中にある助動詞ですが、除外するか、使うなら should にするのが良いと思います。それに続く be caught ~ ですが、これは難しい言い方で「~しているところを目撃される」の意ですね。大修館の辞書には She has never been caught  in her night clothes. 「寝巻姿を見られたことがない」という例文が出ておりました。この例文に倣うと、ここでは being を除外するのが良いと思います。もちろんあってもよいのですがくどい感じになると思います。第2文の形式主語構文は He found it difficult to do の構成にしてもOKで、この形式目的語構文を使う生徒は少数派なのですが「できるひと」が多いです。形式主語構文が第3者的立場から述べているのに対して、形式目的語構文は「彼の思いを述べている」という違いもありますね。また instant ですが、この単語は形容詞もありますがむしろ名詞として使われることのほうが多くて、moment に似た意味でつかわれます。ゆえに for an instant「ちょっとの間」はOKです。

The Emperor went to His bedroom lest His attendants (should) be concerned about Him.  But He found it difficult even to doze off.

第1文で使った lest「~しないように、~するといけないから」 は見慣れない接続詞だと思いますが、so that ~ not~,  for fear that ~ ,  in case ~  などと同じ働きをするので是非覚えてください。堅苦しい論説文などでけっこう出てきますよ。be anxious about の場合は「ドキドキするくらいに不安で心配」な感じですが、be concerned about の場合は「ちょっと気になるくらいの心配」ということなので、ここでは後者が好適でしょう。

N君:接続詞 lest は節内の should とともに覚えておきます。形式主語あるいは形式目的語の構文がそれぞれどのような立場から述べられているのか、といったことを考えたことがなかったので、今回は良い勉強になりました。It was difficult for him to persuade her to change her mind. は第3者的立場から述べられており、一方、He found it difficult to persuade her to change her mind. では彼自身の思いが述べられている、という訳ですね。