2021-09-01から1日間の記事一覧
帚木110:(左馬頭の言葉続き)この女のあるやう、もとよりもとより思ひいたらざりける事にも、いかでこの人のためにはと無き手をいだし、おくれたるすぢの心をも、なほくちをしくは見えじと思ひはげみつつ、とにかくにつけて物まめやかにつゆにても心にたがふ…
帚木108・109:(左馬頭)「はやう、まだいと下﨟に侍りし時、あはれと思ふ人侍りき。聞こえさせつるやうに、かたちなどいとまほにも侍らざりしかば、若きほどのすき心には、この人をとまりにもとも思ひとどめ侍らず、よるべとは思ひながら、さうざうしくて、…