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文系科目ダメダメな中高生・浪人生のための英作文修行

オリジナル勉強風呂Gu 第669回 2023.1/15

古文研究法80-2 古今集より:偽りの無き世なりせばいかばかり の言の葉嬉しからまし

もしも、嘘というものがない世の中だったら、どんなにかあなたの御言葉が嬉しいことでしょう。(実際には嘘が多いので、せっかくの御言葉も手放しでは信用できません。)

N君:「せば~まし」なので反実仮想、つまり英語で言うところの仮定法、ということは分かるのですが、この歌の解釈で僕が最も驚いたのは、「人」=「作者から見た恋しいあなた」であったことです。これは言われないと気付きません。僕はもっと一般的な「人」だと思っていましたが、「恋しい人」となると歌意がグッと迫って来るように感じます。このあたりのことを瞬時に嗅ぎ分ける能力を文系の人は持ってるのでしょう。

Were it not for a lie in this world, I would be very glad to hear your sweet nothings for me.

S先生:ウン、なかなかいい線いっています。If の省略形で入りましたね。a lie の所は lies でも別に構わないのですが a lie にすることで「たった一つの嘘も」みたいな雰囲気を醸し出しています。nothings「ベッドの中での睦言(むつごと)」は感じが出ていてとても良いと思います。

If there should be no lies in this world, how happy I will be to hear your sweet words. I will not mind being deceived by you.

N君:こいつは参りました。先生の作文は「もしもこの世に嘘がなかったら、あなたの甘い言葉を聞くことができて、どんなにか私は嬉しいでしょう。(実際には嘘が存在するけれど)あなたになら騙されても私は構わないわ」と言っていて、作者の募る恋心が表現されています。こういう emotional なことは僕は考え付きません。