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文系科目ダメダメな中高生・浪人生のための英作文修行

オリジナル勉強風呂Gu 第603回 2022.11/10

古文研究法47-2 竹取物語:翁聞きてうちなげきて詠める、「呉竹のよよの竹取り野山にも さやは侘しきふしをのみ見し」。

それを聞いておじいさんは感嘆のため息をつき詠んだ歌:「長いこと野山で竹を取り辛い思いもしましたが、あなた様(車持皇子)ほどの辛い経験致しませんでした、大変でしたねえ」。

N君かぐや姫に向けて車持皇子がした苦労話を傍で聞いていたおじいさんが、ああ大変でしたねえ、と労う場面です。「なげく」は「ため息をつく」で、ここでは、感激して嘆息している、のでしょう。「さ+やは」の「さ」は so、「やは」は反語です。「ふし」は「事柄・経験」くらいの意味になります。

Hearing that, and touched by his hardships, Taketori-no-Okina composed a poem : I have gathered bamboos experienced many troubles until now, but I have never encountered such harsh difficulties as you have underwent.

S先生:今日のところは短いですが色々と言いたいことがあります。まず第2文の many troubles が文字通り問題です。trouble が可算名詞なのか不可算名詞なのか考えて下さい。労働争議 labor troubles のように「紛争」「悶着」のような意味の時に稀に可算名詞になることはあるのですが、一般的には trouble は不可算名詞と考えて下さい。ゆえに形容詞としても many や several のようなものは使えません。この点 a lot of は可算でも不可算でも使えるので便利です。a lot of books (=many books) も a lot of money(= much money) もOKです。ここでは a lot of trouble にしましょう。後の方に出てくる difficulty も不可算ですが、difficulty「困難」、difficulties「主にお金のことでの困窮」は似て非なる不可算名詞です。ここではどちらを使ってもよいですが a harsh difficulty というのは明確に間違っていますし、同様に many difficulties も誤りです。ややこしいですね。第2文末の as you have underwent についてちょっと考えてみて下さい。おそらくN君は主節で encountered を使ったので重複を避ける意味で underwent としたのでしょう。その考え方は良い。ここを as you have encountered にするのは気が引けますよね。しかし、encounter とは違う単語を持って来る、という月並みな考えからもう一歩進化して、過去分詞を省略して助動詞 have だけにする、という発想を持って頂きたい。ここは as you have. としましょう。このような文章で as one you have (encountered). というふうに one を置いた生徒がいましたが、この one は不要です。

Hearing that, an old man, Taketori, composed a poem with admiration : I also have had lots of trouble in cutting off bamboos, but compared with your painful experience, mine is nothing.

N君:experience も不可算ですか?

S先生:そうです、不可算です。