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文系科目ダメダメな中高生・浪人生のための英作文修行

オリジナル勉強風呂Gu 第315回 2022.1/27

帚木84・85:(左馬頭の言葉続き)また、なのめにうつろふ方あらむ人をうらみて、けしきばみそむかむ、はたおこがましかりなむ。心はうつろふかたありとも、見そめし心ざしいとほしく思はば、さるかたのよすがに思ひてもありぬべきに、さやうならむたぢろぎに絶えぬべきわざなり。

あるいは妻に対して気持ちがいいかげんで、あちこちの女に心を移している、というような浮気者の夫を恨んで、あらわに色めき立ってケンカをする、というようなのも阿保らしいことです。仮に夫が他の女に心を移したとしても、愛情がまるっきりなくなってしまったわけでもあるまいし、最初に見初めた頃はどこかに美質を持っていたからこそ惚れたのに違いないので、そういう美点を今でもいとおしく思っているでしょうからね。夫はそういう心を持っているのに、肝心の妻がギャアギャア夫を責め立てたりすると、さしもの百年の恋もいっぺんに冷めるという道理で、すっかり縁が切れてしまう。

N君:I want to emphasize that it is ridiculous for a woman to have a grudge against her capricious husband and quarrel loudly with him over his loose moralsThis is because he has never run out of love for her, no matter how unfaithfully he is absorbed in another woman.  The reason why he married her must be that he was attracted by her certain virtue at the first sight.  It is sure that he will continue to love her who has such a good point.  No wonder his eternal love for her may be damped by her continuous complaints of his trivial immorality.  If she is not careful for her own behaviors and remarks, the dispute may develop into an irretrievable divorce.

S先生:今日は大きなミスはないものの細かい事がいろいろあります。第1文末の loose morals は間違いではないが immorality と一語にまとめたい。第2文は This is because から始まる構成で悪くないのですが、次の第3文も同じような構文になっていて、読み難い感じがします。そこで第2文の This is because ~ はやめましょう。また never は表現が極端すぎるので部分否定くらいにしておきたいし、be absorbed in の後に来るのは普通は人ではなくて物事であるべきです。be absorbed in を使うことなく、狂おしいほど愛人にのめり込んでいる様子を表現したいなら副詞 unfaithfully を madly に変えてみてはどうでしょうか。結局第2文は He has not always run out of love for her, no matter how madly he is in love with another woman. くらいにするのが良いと思います。第3文末の at the first sight の定冠詞を除外しましょう。序数 first なので定冠詞を置きたくなる気持ちはわかりますが、ここは at first sight で慣用的に使われています。第4文の先行詞 her を受けての関係代名詞節 who has such a good point ですが、これはいけません。who は ここで登場した her のような具体的人物を先行詞にはしないのです。He who tells a lie cannot be trusted. のような一般論であればOKなのですが、N君の第4文のような場合はいけません。そこでここでは who has を除外して代わりに for くらいを入れておきましょう。第5文末の immorality ですが、この単語は「不道徳」という意の不可算名詞と、「ふしだらな行為」という意の可算名詞があります。ここの場合は不可算名詞よりも「夫の数々の不倫行為」という可算名詞と考えて、immoralities というふうに複数形にしましょう。第6文の be careful for ~ ですが、for の場合はどちらかというと「~の面倒を見る」という意になり、たとえば She is very careful for her children. 「子供の面倒をよく見ます」というふうに使われます。「言動に気を付ける」の意のときは about が使われますから、ここでも about を使いましょう。ちなみに「言動に気を付ける」は be careful (about) what she says and does というふうに about が省略されることもあります。しかしこの第6文の目的語部分は what節にはなっておらず、単なる名詞句ですから about が省略されることはなく、絶対に必要です。長々を言ってきましたが要するに第6文の for を about に替えましょう、ということです。

It is utterly stupid of a wife to blame her husband and excitedly quarrel with him because he is flirting with women here and there.  Even if he loves another woman, it does not always mean that he has lost his affection for his wife.  When he fell in love with her at first sight, he must have got keen on her because she had some good points.  Probably he still love them.  If she blames him severely without paying any attention to his feelings, his long love for her will be destroyed at once.

N君:第1文の flirt with ~「~といちゃつく」は辞書を引いていて笑ってしまいました。第3文の have got keen on ~ は、get の過去分詞 gotten を使うべきなのにS先生もうっかりしたんだな、と思いましたが、過去分詞として gotten を使うのは米国の話であって、英国では got を使うと辞書で知りました。そういえば often の読みは「オフン」だと思い込んでいましたが、英国では「オフテン」だと聞いたことがあります。

S先生:どちらかというと「オフトゥン」ですけどね。