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文系科目ダメダメな中高生・浪人生のための英作文修行

オリジナル勉強風呂Gu 第314回 2022.1/26

帚木82・83:(左馬頭の言葉続き)絶えぬ宿世浅からで、尼にもなさで尋ねとりたらむも、やがてあひ添ひて、とあらむをりもかからむきざみをも、見過ぐしたらむ中にこそ、契り深くあはれならめ。我も人もうしろめたく心おかれじやは。

また、家出したけれど、なお前世からの宿縁が切れていなかったりして、尼になる前に発見して連れ戻したとしても、それからまたちゃんと元の鞘に収まるでしょうかねえ、心もとないものだ。やっぱりそんな揉め事はなしで添い遂げて、辛い時も悲しい時も、何があってもなんとか乗り越えてきた仲であってこそ、本当の宿縁も深く、また愛情もひとしお、というものでありましょうからね。

N君:Take another case, for example, who was persuaded to go back to her husband before she became a nun.  She might be successfully taken back to the secular world, but I doubt she can get along well with him again.  After all, it seems desirable for her to live happily with him from the first to the end.  However seriously various ordeals fall on them, their love will be strengthened by the experience that they have overcome all the disputes since they got married.

S先生:第1文を除けばだいたいOKです。その第1文ですが、N君の考え方としては「命令文の構成で、先行詞 another case のあとにちょっと挿入があって関係代名詞 who が続く」というものであったと思いますが、これはやはり不自然です。こういうところは独立不定詞を使って To take another case, として一息いれましょう。その後の for example は意味的に冒頭の独立不定詞と重なってしまうため思い切って除外しましょう。そうしておいて主語を a woman who left her husband とするのです。この変化に伴って第1文後半にある her husband を him に置き換えましょう。結局、To take another case, a woman who left her husband was persuaded to go back to him before she became a nun. という具合にするほうがスッキリまとまると思います。第4文は However+副詞+S+一般動詞「Sがどんなに~しても」という譲歩節ですね。上手に使うことが出来ました。However+形容詞+S+be動詞 の形もありうるでしょう。あるいは However のかわりに No matter how を持ってくる手もあります。あるいは思い切って Whatever various ordeals fall on them, という具合に 主語に直接掛かる Whatever を使う手もありえますが、私の個人的な好き嫌いから言わせてもらえば、N君の第4文の形が一番好きです。

The bond between husband and wife seems to be destined.  Even if he finds her out and takes her back, I wonder if they get back together again.  I think it is the best to get along with each other, whether they are in difficulty or in grief.  If they can overcome their discords, their affection will become stronger.

N君:S先生の作文は短くて筋が通っていて締まっていて分かり易い気がします。

S先生:「皆が知らない難しい単語や言い回しを使うのが高得点につながる」という思い込みを捨てることが大切です。簡潔であることが良い事なのです。