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文系科目ダメダメな中高生・浪人生のための英作文修行

オリジナル勉強風呂Gu 第587回 2022.10/25

古文研究法35 徒然草:素直ならずして拙なき者は女なり。その心に従ひて良く思はれむことは心憂かるべし。されば、何かは女の恥かしからむ。もし賢女あらば、それも物憂くすさましかりなむ。ただ迷ひを主(あるじ)としてかれに従ふ時、優しくも面白くも思ゆべき事なり。

素直でなくロクデナシなのは女だ。男が、こういう女の気に入るように行動して女に良く思われることがあるとしたら、それは情けないことだろう。何だって女に気兼ねなどする必要があろうか。もし賢い女がいたとしたら、それはそれで親しみにくく興ざめな存在であろう。読者の皆さんの心が、ただ迷いに占領されてそれに従っている間だけ、女のことを優しくも魅力的にも感じるだけなのです。

N君兼好法師の過激な女性論です。若い時に女性関係で相当苦労したのでしょう。令和の現在にこれを言ったら袋叩きにあいますね。「すさまし」は大切な形容詞で「興ざめだ」の意であり、枕草子にも「すさまじきもの」として、昼吠ゆる犬・春の網代、、、などの興ざめ項目が列挙されています。小西先生によればこの「すさまし」は漢字の「冷」にあたる意味を持っていて、現代語の「凄まじい」とはまったく無関係、とのことでした。今回の文章もいつものように主語がバンバン省略されていて解釈に苦労します。第2文の主語は「男」、第5文の主語も「世間一般の男達」あるいは「読者の皆さん」でもよいと思われます。この第5文では目的語であるはずの「女」までもが省略されていて、本当に困ります。

It is a woman that is good-for-nothing and far from obedient.  If a man wants to acquire a good impression from women by resorting to courting them, he is a pitiful man.  Why does he dare to feel hesitant in their presense ?  If there is a wise woman, she must be unfriendly and disobedient to you.  Just while obsessed and trailed by a love for her, men will often consider women as tender and attractive.

S先生:第1文の good-for-nothing は名詞では「ロクデナシ」、形容詞では「役立たずの」です。この単語を形容詞で使う場合には限定用法(名詞を修飾する)で使われることはあっても叙述用法(SVCのCになる)で使われることはありません。これが形容詞の厄介なところです。形容詞によって限定だけ・叙述だけ・両方OK と色々あるのです。good-for-nothing は限定だけなので、第1文は It is a good-for-nothing woman that is far from obedient. くらいに変えるほうが良いでしょう。形容詞に関しては本例のように「限定・叙述の問題」のほかに、「主語が人か人でないか、たとえば combenient」「名詞の後ろに置けるかどうか、たとえば available」のような問題に着目しながら、眺めてみて下さい。必ず英語力が向上すると思います。第3文は間違いではないが、If 節と主節の主語が異なっているのが少し気に障ります。従属節と主節の主語はできるだけ一致させるよう努力して下さい。そのほうが「英語らしく」見えます。私の作文では主語を一致させているので参考にして下さい。

It is a good-for-nothing woman who (that でもよい) is disobedient.  If a man wants to fall in love with such a despicable woman, he is to be pitied.  What on earth is it that makes him behave meanly like that in front of a woman ?  If a woman is wise, she must be unfriendly and unpleasant to you.  Just while you are deluded with a love for her, you feel as if she were graceful and attractive.

N君:despicable「卑しい」= mean、delude「人の心を欺く、惑わせる」= deceive

S先生:今日は「蛍の光」の話をします。♫蛍の光 窓の雪 文読む月日 重ねつつ いつしか年も 杉の戸を あけてぞ今朝は 別れゆく♫ という唄ですが今の若い人はもう知らないかもしれませんね。私は教員をしていましたから、昔の卒業式ではよく歌われていたし私も歌いました。今でもパチンコ屋やスーパーなどの閉店時刻になると、この曲が流れているんじゃないかな。それとも今ではもう廃れてしまったかな。元々この曲は Scotch Folk Song つまりスコットランド民謡で Robert Burns(1759~1796)が作詞した Auld Lang Syne「懐かしき昔」という曲なので、今日はその英詩を鑑賞してみましょう。まず auld=old, lang=long, syne=since なので今の英語で言えば Old Long Since ということになります。

Should auld acquaintance be forget,       懐かしき馴染みの友を忘られようか

And never brought to mind ?     そしてその友が思い出されないことがあろうか

Should auld acquaintance be forget,  懐かしき馴染みの友を忘られようか

And days of auld lang syne ?     そして懐かしき昔(が忘られようか)

For auld lang syne, my dear,                  懐かしき昔のために、愛しき者よ

For auld lang syne,          懐かしき昔のために

We'll take a cup of kindness yet,    さあ友情の杯を取ろうではないか

For auld lang syne.          懐かしき昔のために

 

kindness=friendship,  yet=now です。昔の文部省唱歌には確かに今の時代にはそぐわないものもありますが、その多くは子供の情操を育むのに大いに役に立ちました。子供の心を豊かにするためにも、少々歌詞は難しくても色々な古い歌を歌わせて欲しいものです。私も子供の頃は意味も分からぬまま ♫ウサギおいしい♫ なんて歌ってました。音楽は一生の友達です。楽器はできなくても歌うだけなら誰でもできますからね。多少音痴でも毎日歌っていれば上手くなります。お金もかかりませんしね。私は合唱団に入って歌っています。悲しい時、辛い時、嬉しい時、そして淋しい時、音楽が人生に寄り添ってくれますよ。