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文系科目ダメダメな中高生・浪人生のための英作文修行

オリジナル勉強風呂Gu 第293回 2022.1/5

帚木44:(左馬頭の言葉続き)父の年老い、ものむつかしげに太りすぎ、せうとの顔にくげに、思ひやりことなることなき閨のうちに、いといたく思ひあがり、はかなくしいでたることわざも、ゆゑなからず見えたらむかたかどにても、いかが思ひのほかにをかしからざらむ。

また父親はもうずいぶんな老人でむさくるしく太り返っており、兄はというと憎たらしい顔をしている、、、そうなるとまさかこんな所に見目麗しい娘がいるわけがないと誰でもそう思うでしょ。ところがそういう家の閨(ねや)のうちに意外にも美しく気高い娘がいたりして、ちょっとした技芸でもなにやら妙に嗜(たしな)み深く見えるなんてことがあると、それがあまりたいしたことのない才芸でも、どうしてどうして思いがけない面白さを感じてしまう。

N君:Or what do you think about this example ?  A woman's father is ugly and obese.  Her elder brother also looks galling.  You never think that there will be a beautiful lady just in this house of all.  But you will be very surprised to see an unexpectedly sublime daughter there and unintentionally interested in a hint of her artistic accomplishment, though it is actually a triffle under a cool-hearted appreciation.

S先生:第3文「よりにもよってこんな家に」を just in this house of all と表現したわけですね。悪くないのですがもう少し簡潔に書くなら of all houses でも伝わると思います。第4文譲歩節の最後にある under a cool-hearted appreciation はいくらなんでも硬すぎる。この意味は既に actually の中に含まれているので、この硬い部分を除外しても良いくらいです。

In another case, a lady's father is a fat, filthy old man and her brother looks detestable.  Who believes that there lives a good-looking lady in such sordid place ?  But if you find a noble, tasteful and beautiful lady with something of an accomplishment, you will be naturally enchanted with her even if her arts are not worth talking about.

N君:単語を整理しておきます。filthy「薄汚れた・不潔な」、detestable「大嫌いで・憎たらしくて」、sordid「(場所が)汚い」。今日は negative な感じの形容詞がたくさん出てきました。detestable は hateful に似ています。filthy と sordid は、dirty のワンランク上の単語です。最後のところに be worth + 名詞 の形が出てきました。以前やったように、この worth はもともと形容詞だったのに、今では前置詞と考えられている単語です。ちょっと変な奴という印象です。僕は以前からこの形に違和感を持っていて、たとえば「この本は一読の価値あり」と言いたい時に、僕の感覚としては This book is worth being read. なのですがこれは間違いで、正しくは This book is worth reading. です。read から見た時に book は主語ではなくて目的語である、というのがその理由らしいですが、なんか狐に騙された感じです。

S先生:「read から見たら book は目的語」という以上の説明を私は知りません。N君の抱いた違和感は、言われて初めて私も気付きましたが、このような疑問を持つことはとても大切だと思います。worth+動名詞 の形以外でも同様の現象を今後見つけていくことになるでしょう。