2022-03-16から1日間の記事一覧
帚木388続・389・390:心の内には(姉君の心中)「いとかく品定まりぬ身のおぼえならで、過ぎにし親の御けはひとまれるふるさとながら、たまさかにも待ちつけ奉らば、をかしうもやあらまし。しひて思ひ知らぬがほに見けつも、いかに程知らぬやうにおぼすらむ」…
帚木386・387・388:いとあさましく、つらし、と思ひて、(小君)「いかにかひなしとおぼさむ」と、泣きぬばかりに言へば、(姉君)「かくけしからぬ心ばへは使ふものか。幼き人の、かかること言い伝ふるは、いみじく忌むなるものを」と言ひおどして、(姉君)「『…
帚木382・383・384・385:女もさるせうそこありけるに、おぼしたばかりつらむ程は浅くしも思ひなされねど、(姉君の心中)「さりとて、うちとけ、人げないありさまを見え奉りても、あじきなく夢のやうにて過ぎにし嘆きをまたや加えむ」と思ひ乱れて、なほ、さ…
帚木377・378・379・380・381:例の、うちに日数へ給ふころ、さるべきかたの忌み、待ち出で給ふ。にはかにまかで給ふまねして、道の程よりおはしましたり。紀の守驚きて(紀伊守の心中)「やり水のめいぼく」と、かしこまり喜ぶ。小君には、昼よりかくなむ思ひ…