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文系科目ダメダメな中高生・浪人生のための英作文修行

オリジナル勉強風呂Gu 第279回 2021.12/22

帚木18・19:(中将)「女の、これはしもと難つくまじきはかたくもあるかなと、やうやうなむ見給へ知る。ただうはべばかりのなさけにて走り書き、をりふしのいらへなどばかりは随分によろしきも多かり、と見給ふれど、そもまことにその方を取り出でむ選びに、必ず漏るまじきはいとかたしや。

(中将)「いやあそれにしても女というものは、これなら太鼓判とでもいうか、これといって難点のない女を見つけるってことは難しいなあ、とこの頃つくづく分かってきましたよ。ただ表面的なことだけで字はそこそこうまいし折々に歌を返すとか、そういうことを心得て器用にこなすということであれば、まあそれなりにできる女も相当居るように見えます。だけどね、じゃあその技芸ひとつを取り上げてその道の巧者を選ぶというようなことになれば、その選に必ず入るというほどの腕前の人は本当に少ない。

N君:さあいよいよ中将の女性論がはじまりました。中将・源氏ともに、ここから長ゼリフの応酬になります。聞き所ですね。

"Well, recently I have become to know that it is very difficult to get a wnderful woman, or you might say, a steady one who has no conspicuous faults.  There seem to be a considerable number of women who are able to cope with superficial rutines like writing a letter in decent characters or returning a poem at an appropriate opportunity.  But I think there are quite few women who can be nominated as a master in a limited field of art.

S先生:今日のところは全体的な構成としてはまずまずですが、ちょこちょこと指摘しておきたい部分がありました。第1文の become to do はいけません。become は不定詞を取りません。ここは come to do として下さい。第1文の終わりの所に使われた形容詞 conspicuous「目立つ」は a conspicuous beauty とか a conspicuous statesman のように良い意味で使われることが多いという印象です。よってこの作文のように conspicuous faults のような使い方は違和感があります。この場合 conspicuous はなくても意味は通じるし、むしろ無いほうがスッキリするので、思い切って conspicuous を除外しましょう。第2文の a number of「たくさんの」は不定冠詞を忘れずに。the number of~「~の数」と区別するように気をつけましょう。N君はしっかりとできています。cope with「問題に取り組む、処理する」は便利かつ重要な熟語で、主に否定文で使われますが、ここのN君の使い方も良いと思います。第3文の quite few women の women は無くても分かるので思い切って除外しましょう。ないほうが英語らしいです。

"Well, I have recently come to know that it is really difficult to find a perfect woman with no faults.  Looking superficially, you can find not a few who have good handwriting, reply to your poem with no delay and do that  kind of thing tactfully.  But if you take up one of their arts and sort out a really superior one, you will find that there are not many who are worth naming.

「折々に」を私は with no delay としました。sometimes や occasionally では間が抜けている感じがしたので、あえて意味の異なる with no delay を持ってきたわけです。N君はここのところを at an appropriate opportunity としていますが、これはこれで立派な表現だと思います。