2021-07-15から1日間の記事一覧
帚木24:(中将の言葉続き)まことかと見もて行くに、見劣りせぬやうはなくなむあるべき」と、うめきたるけしきも恥づかしげなれば、いとなべてはあらねど我おぼしあはする事やあらむ、うちほほゑみて、(源氏)「そのかたかどもなき人はあらむや」とのたまへば…
帚木22・23:(中将の言葉続き)かたちをかしく、うちおほどき若やかにて、まぎるる事なき程はかなきすさびをも人まねに心を入るる事もあるに、おのづからひとつゆゑづけてしいづる事もあり。見る人おくれたる方をば言ひ隠し、さてありぬべきかたをばつくろひ…
帚木20・21:(中将の言葉続き) 我が心得たる事ばかりを、おのがじし心をやりて人をばおとしめなど、かたはらいたきこと多かり。親など立ち添ひもてあがめておひさきこもれる窓のうちなるほどは、ただかたかどを聞き伝えて心を動かすこともあめり。 自分の得…
帚木18・19:(中将)「女の、これはしもと難つくまじきはかたくもあるかなと、やうやうなむ見給へ知る。ただうはべばかりのなさけにて走り書き、をりふしのいらへなどばかりは随分によろしきも多かり、と見給ふれど、そもまことにその方を取り出でむ選びに、…