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文系科目ダメダメな中高生・浪人生のための英作文修行

オリジナル勉強風呂Gu 第128回 2021.7/24

桐壺68:(母君つづき)としごろ、うれしくおもだたしきついでに立ち寄り給ひしものを、かかる御せうそこにて見たてまつる、かへすがえすつれなき命にも侍るかな。

ここ数年来は、あなた様はこの屋敷へ晴れの機会においでになることが多かったのに、今回はこういう弔問の手紙の御用事でお会いすることとなり、なんともままならぬ私の長寿命で申し分けありません。

N君:「せうそこ」は「消息」ですね。

Although these few years you have often come to this residence at such happy opportunities as the birth of the baby or the ceremony of his 'Hakamagi', this time I have to meet you at a mournful occasion where you have to convey a letter of condolence from the Emperor.  I wish I could pass away earlier.  I am sorry that my long life has forced you to implement this unlucky assignment.

S先生:第1文の関係副詞 where は誤りで when にするべきでしょう。第2文はOKです。第3文で、implement「履行する、実行する」、assignment「割り当てられた仕事、宿題」のような難しい単語が出てきましたが、そのために文全体が堅苦しくなってしまいました。ここは母君の話し言葉なのですから、もっと柔らかい表現を考えよう。それから、思いついたときに忘れぬうちに言っておきますが、以下の私の作文の第1文に出て来る news は information などと同じで不加算名詞であって、必ず単数扱いになります。結構テストなんかにも出ますよ。

These few years you have visited my residence to inform me of the happy news of the new Prince's birth, the ceremony of Hakamagi and so on.  But this time you have come with a sad message.  It is because I have lived a long useless life that I must hear ominous news from you.  I would not have such an unbearable experience if I had not outlived my daughter.

N君:第3文は形式主語の構文でした。はじめ that が関係代名詞かと思っていましたが全く違いました。こういう構成をサッと考え付くようになりたい。It is because SV that SV  という構成は今後使えそうな気がします。第4文は「前半が仮定法過去、後半が仮定法過去完了」となっており僕の理解を越えています。逐語的に考えてみると「(実際私は娘より長生きしちゃったのだが)もし私のほうが早く死んでいたとしたら、(実際私は今つらいめにあっているのだが)いま私はこんな辛い経験をしなくてもすんでいるのに」というようなことになります。こういう言い方は確かにありうるわけだから、「前半仮定法過去、後半仮定法過去完了」の構文は成立します。

S先生:数学の証明のような理解だがそれで良いと思います。理系のN君らしいですが、実際に作文する時は「柔らかさを忘れないように」して下さい。