2021-04-13から1日間の記事一覧
桐壺76:(命婦)「鈴虫の声の限りを尽くしても 長き夜明かずふる涙かな」えも乗りやらず。 「鈴虫もあのように鳴いております。それにつられて私も声の限りに泣いて、秋の夜長を泣き尽してもなお涙が尽きません。」と命婦は詠んで車にも乗り込めない。 N君:Y…
桐壺75:月は入りがたの空清う澄み渡れるに、風いとすずしくなりて、草むらの虫の声々もよほしがほなるも、いと立ち離れにくき草のもとなり。 はや月は西山の端に傾き、空は冴え冴えと澄み渡って、風はひやりと涼しく、草むらに聞こえる虫の声も泣け泣けと誘…
桐壺74:(命婦の会話文中の帝の言葉つづき)よにいささかも人の心をまげたる事はあらじと思ふを、ただこの人のゆゑにてあまたさるまじき人の恨みを負ひしはてはては、かううち棄てられて心おさめむかたなきに、いとど人わろうかたくなになりはつるも、さきの…
桐壺73:(命婦の会話文中の帝の言葉)『わが御心ながら、あながちに人目おどろくばかりおぼされしも、長かるまじきなりけりと、今はつらかりける人の契りになむ。 『われながら、周囲の者がびっくりするほど甚だしく桐壺更衣のことを寵愛してしまった。しかし…
桐壺72:(命婦)「うへもしかなむ。 「陛下も同じことをおっしゃっておいででした。 N君:Myoubu answered, " The Emperor said the same things as you did : S先生:”His Majesty said in the same state of mind, 今回は短かったのでふたつばかり英作談義…
桐壺71:(母君つづき)これもわりなき心の闇になむ」と言ひもやらずむせかえり給ふほどに夜も更けぬ。 いえいえちょっと言い過ぎましたか、、、これも理不尽な、子を思う親心ということでしょう」などと、言い終わらないうちに母君は泣き出してしまい、命婦は…
桐壺70:(母君会話文中の故大納言の言葉つづき)われ亡くなりぬとて、くちをしう思ひくづほるな』と、かへすがへすいさめ置かれ侍りしかば、はかばかしううしろみ思ふ人もなきまじらひはなかなかなるべき事と思ひ給へながら、ただかの遺言をたがえじとばかり…
桐壺69:(母君つづき)生まれし時より思う心ありし人にて、故大納言いまはとなるまで『ただこの人の宮づかへの本意(ほい)必ずとげさせ奉れ。 桐壺は生まれた時から親としてこの子こそはと期待をかけていた娘でして、亡くなった夫もいまわのきわまで『この娘を…
桐壺68:(母君つづき)としごろ、うれしくおもだたしきついでに立ち寄り給ひしものを、かかる御せうそこにて見たてまつる、かへすがえすつれなき命にも侍るかな。 ここ数年来は、あなた様はこの屋敷へ晴れの機会においでになることが多かったのに、今回はこう…