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文系科目ダメダメな中高生・浪人生のための英作文修行

オリジナル勉強風呂Gu 第69回 2021.5/26

桐壺9:一のみこは右大臣の女御の御はらにて、寄せ重く疑ひなき儲けの君と世にもてかしづき聞こゆれど、この御にほひには並び給ふべくもあらざりければ、おほかたのやむごとなき御思ひにて、この君をばわたくしものにおもほし、かしづき給ふ事かぎりなし。

帝の御長男は右大臣の姫たる弘徽殿(こきでん)女御を母とし、後ろ盾も重々しく疑いなく帝の後継となる皇子だと世間では大切に存じ上げてはいるものの、今回のこの御次男の御器量にはとても比肩できなかった。そのため帝は一の君には並み一通りの御寵愛で、この二の君のことをこそかけがえのない皇子とおぼしめし、それはそれは大切に御養育なさった。

N君:はじめ長男のことを言っていて、途中から → 次男 → 長男 →次男 と目まぐるしく変化します。まるでジェットコースターのようで油断すると振り落とされます。古文では主語のみならずいろんなものが気軽に省略される、ということが分かってきました。文章を書く人がどうしてこういう書き方をするのかが全く不明です。

The first baby boy of the Emperor had been born from Kokiden-no-Nyogo, whose father was an incubent minister.  Having a solemn background, he was undoubtedly supposed to success the throne.  Yet his figure was common and did not reach the level of the second baby's at all.  So, while the Emperor gave a decent love to the first baby, He was keen on nurturing the second boy as His prized Prince.

S先生:全体的に無理なく作文出来ていてとても良いのですが、小言がひとつと大言がひとつあります。第1文の from は by のほうが良いと思いますが、まあ from も分からなくはない。問題は第2文の success です。単語の混同がありそうなのでここでハッキリさせておきましょう。succeed には自動詞としての「成功する」と他動詞としての「後を継ぐ」という意味があります。一見関係なさそうなふたつの意味ですが実はおおありで、「後を継ぐ、そうしてしばらくすると、成功する」という具合に考えましょう。さらにその名詞として success 「成功」があり、形容詞として successful 「好結果の」があるのです。ゆえに今回のケースでは supposed to succeed the throne としなければなりません。第3文の形容詞 decent はとても感じがでており、be keen on ~ もよいと思います。be keen to do でもOKです。

To Him, however, the baby was the second Prince.  The first was the son of Kokiden no Nyogo from the family of the Minister of The Right.  Since his grandfather was an active minister, he had many supporters and was taken good care of as an heir of the Emperor.  As far as beauty is concerned, however, the first Prince was far inferior to the second.  So though the Emperor loved His first Prince pretty dearly, He was so attached to the second that He would give anything to bring him up.

N君:「現役の」と言いたい時 active を思いつくかどうか。「現役」→「活動中」と連想ゲームしていくしかないですね。air と heir(跡継ぎ) が同じ発音というのは有名で、同類としてたとえば flower と flour(小麦粉) があります。as far as ~ is concerned は重要で「~に関して言えば」みたいな意味の節になっています。ここは when it comes to beauty もよいし、もっと短く as for looks でも良いと思います。be inferior to ~ で思い出すのは「ラテン系比較」という言葉です。語尾が ior のinferior, superior, junior,senior,prior などのラテン系形容詞比較級は than よりも to が好きで、to のあとには than と違って目的格代名詞が来る、となにかの本で読んだことがあります。つまり than I に対して to me ということです。prefer A to B もなにか関係あるのかなあ。