2021-05-08から1日間の記事一覧
桐壺112:あくる年の春、坊さだまり給ふにも、いとひきこさまほしうおぼせど、御うしろみすべき人もなく、また世のうけひくまじきことなりければ、なかなかあやふくおぼしはばかりて、色にもいださせ給はずなりぬるを、「さばかりおぼしたれど限りこそありけ…
桐壺111:いとどこの世のものならず、きよらにおよすけ給へれば、いとゆゆしうおぼしたり。 見れば、まったくこの世の人とは思えぬくらい美しく、また立派におとなびているので、帝はかえって不吉だとさえ感じられる。美しすぎる子は悪霊に魅入られて夭折す…