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文系科目ダメダメな中高生・浪人生のための英作文修行

オリジナル勉強風呂Gu 第735回 2023.3/23

古文研究法113-4 謡曲「大原御幸(おおはらみゆき)」より:折々に心なけれど(と)ふものは、賤(しづ)が爪木(つまき)の斧の音、梢の嵐猿の声、これらの音ならでは、柾木(まさき)の葛(かづら)青つづら、くる人稀(まれ)になり果てて、草顔淵(がんえん)が巷(ちまた)に繁き思ひの行方(ゆくへ)とて、雨原憲(げんけん)が扉(とぼそ)とも湿(うるほ)ふ袖の涙かな。

時々無心に訪れて来るのは、里人が薪を切る斧の音や、梢を吹く風・猿の声で、これらの音以外では、葛や蔦の生い茂るこの場所へ来る人も稀になってしまった。顔淵の貧居に茂る草のように多いもの思いの結果、原憲のあばら家を濡らす雨のように際限ない涙が袖を濡らす。

N君:第733回「平家物語」とほぼ同じ内容です。ここ4回は五七調の文章を読みましたが、意外にもしっくり来る自分に驚いています。日本人だからでしょうかね。

What pays a brief and unexpected visit to me is only the sounds of axes used by villagers to make firewood, the howling of the wind hitting branches of moutain trees, and monkeys' crying echoing from the forest.  Except them, seldom do anyone come to this place burried in ivy and vine.  As a result of worries as thick as the weeds around Ganen's cot, my sleeves are wet with the tears which are shedding as endlessly as the drizzle falling down on Genken's hut.

S先生:いいですね。回を重ねるごとに文章が締まってきました。私の作文ではそれをさらに簡潔にしてみましょう。

I hear nothing but the sounds a villager makes in splitting firewood by an axe, the whispering of the wind in the trees, and the gibbering of the monkeys.  Having meditated as deeply as Ganen did in his hut thickly covered with vine, I shed my tears endlessly to get my sleeves wet like Genken's shanty is drenched when it rains.

N君:先生の第2文後半に出てくる like はもしかすると接続詞ですか?

S先生:そうです。用例は少ないですが like にも接続詞があります。研究社の辞書から例文を拾っておきましょう。I cannot do it like you do.「君のするようには僕はできないよ」。as と同じですね。

N君:随分短くなりましたね。

S先生:書く内容を吟味し整理した上で、分詞構文や結果の不定詞を上手に取り込むことで簡潔な文章になります。説明的な記述はできるだけ避けましょう。短い文章で必要充分な内容を伝えることは英作文修行の中で最も大切なことだ、と言っても過言ではありません。N君もかなり実力が付いてきたので、今後は「短く締まった文章」という所に力点をおいて、総仕上げに向かって頑張ってほしいです。