kn0617aaのブログ

文系科目ダメダメな中高生・浪人生のための英作文修行

オリジナル勉強風呂Gu 第725回 2023.3/13

古文研究法109-2 栄華物語より:はかなき御ふみがきも、人よりはをかしうおぼされければ、思(おぼ)し立ちて取り奉り給ふ。

中納言ちょっとした手紙の書きぶりなんかも、ほかの人よりは趣き深いと栗田殿は思ったので、ついに決心して、権中納言婿取りすることにした。

N君:「はかなし」は「ほんのちょっとした」で、これは知っていないと訳せません。「取る」はここでは「婿取りする」でよいと思われます。この文章で難しいのはやはり主語の特定でしょう。「おぼされければ」「おぼしたちて」「取り奉り給ふ」にはすべて普通レベルの尊敬語が使われていて、主語は姫君ではなく養父栗田殿と想像できますが、それもこれも「はかなき御ふみがき」が「権中納言から来た手紙」だと理解できてからの話なので、このあたりが古文難民にはツライところです。

Lord Kurita thought that how he wrote a letter was more tasteful than how others did.  Therefore Kurita was determined at last to accept him as his daughter's bridegroom.

S先生:第1文の how he wrote a letter「権中納言の手紙の書き方」、how others did「他の方々の手紙の書き方」という名詞節の使い方はこれでよいですが、ちょっと硬いので、後半は単に anyone else で代用しても良いと思います。こうすると「文法的に見て比較対象が違うじゃないか」という批判が来るのですが、実用英語というのはそこまでコテコテに考える必要はないのです。

Lord Kurita was very impressed with the way the Vice Minister writes the letter more elegantly than anybody else.  It was not long before he had decided to take him as a husband for his daughter-in-law.

N君:先生の第2文 It was not long before that ~ という構文は「すぐに~した」と訳せばよいですか?

S先生:それでよいですが、そんな通りいっぺんなことよりも、that 節の中身が過去完了形になっていることに注目してください。主節の It was not long before に比べて that 節の中身はそれ以前のことを述べているわけですから過去完了になるのです。不注意な生徒はここを過去形にしてしまって、採点しているこちらとしては「惜しいなあ」と感じることがあります。時制にはいつも注意が必要です。